コレクター

メルマ旬報の終刊に寄せて

既報の通り「水道橋博士のメルマ旬報」は、2022年9月末で終刊となります。それにともない、現在ぼくが連載中の「マニタ書房閉店日記」も、前号での更新(2012年8月 第6回「暴走族本とせんべろ古本トリオと委託販売」)をもって終了となります。今後は、とり…

番号は謎

2020年09月29日 数字と番号は違う。ぼくは数字を見ると頭痛がしてくるタイプだが、番号だけは昔から大好きだった。初めて買ってもらったミニカーのボンネットに、大きな白い丸と黒い数字で「09」なんて番号が書いてあると、いつまでもそれを指でなぞっていた…

CGD vol.25 アレコード・オンリー 3時間スペシャル!!

千駄木のBar Issheeが、渋谷での開業から今年で10周年を迎える。それを記念して1月14日(日)から21日(日)までの一週間は、おなじみのアーティストたちによるライブが連日行われるのだ(Bar Isshee 10周年記念ウィーク)。 奇しくも、その期間中の16日(火…

レコード越しの戦後史、難関だった最後の1枚を入手

水道橋博士が編集長を務めるメールマガジン『メルマ旬報』(月3回発行、月額500円)で、8月から「レコード越しの戦後史」という連載を始めた。これは昭和20年の終戦から、天皇が崩御する昭和64年までを追いかけたものだが、もちろんぼくが書くのだから当たり…

発表!アーカイブック2016

2016年も終わりだねえ。今年もたくさんの著名人が亡くなりまして、とくに自分に限って言えば、憧れのスターはもちろん、友人や知人も何人かあの世に行ってしまった。悲しいことだけれど、齢を重ねるということは、そうした別れの機会が加速するということだ…

アーカイブック2016発表……の前に!

「アーカイブック」という言葉を提唱しようと思う。どういう意味かというと、「何らかのコレクションをまとめた書物」、あるいは「何らかの蒐集家がコレクションについて書いた書物」のことだ。アーカイブ+ブックでアーカイブック。『フリースタイル』とい…

3/22新刊『無限の本棚』が出るむげ〜ん。

すっかり放置しっ放しで、たまに更新されたかと思えば宣伝ばかりになってしまっている当ブログ「蒐集原人」なのですが〜、凝りもせずまた宣伝のために更新するのです!とみさわ昭仁の書き下ろし新刊が、3月22日にアスペクトより刊行されます。タイトルは『無…

しまいにゃイレズミ彫るぞブックオフ

オークションで、おしゃれな文庫用のブックカバーを落札したよ!素材は動物の命にやさしい合成皮革! だれも死んでない!スピン(しおり)の先にはマーカーが。これ、なんの形かわかる?そう、ブックオフのあのイメージキャラ。そしてカバー表面には……。ブッ…

ナニワのオッチャン弁護士を集めたい 

大阪に坂和章平という人がいる。通称:ナニワのオッチャン弁護士。この人、ヒジョーに映画が好きで、本業(弁護士)の合間にひたすら映画を見ては、その感想をコツコツとブログに書いたりなんかしている。最初の頃は個人的な日記に書いていたんだと思うけど…

せんとう開始! めぐりコンプリート

何も集めずに“情報”だけを追い求める蒐集趣味のことを、自分は「エアコレクター」と命名している。モノへの愛着ではなくて、集める行為そのものに快感を覚えるコレクターのことね。高価なコレクターズアイテムを買ったりするわけではないから、経済的な負担…

古書と古本

どう違うんだろうか。いちおう業界的には、古書:絶版になってからの期間が長く、高値が付いているもの 古本:絶版かどうかは問わず、比較的新しめの古本という分け方はあるんだけど、そこに明確な線引きはない。古書市に朝から行列するような人はともかく、…

代官山に22,000,000匹のハチが

拙著『人喰い映画祭【満腹版】』を作ったときに、心残りがいくつかあった。本の中でぜひ採り上げておきたいのに、ビデオが手に入らなくて見られない映画があることだ。そりゃ、過去に作られてきたすべての映画を見ることなんかできるわけがない。でも、人が…

覆面シンガーに愛のさかずきを

すっかり忘れてたー! 本日(3月31日)は、とみさわ昭仁presence.「覆面音楽祭」をやるんだぜー。 覆面音楽祭 新宿御苑の夜の底で、 日々、浮き沈みする酔っぱらいたちのたまり場、バー「浮かぶ」。 そこで繰り広げられる妖しいマスカレード。 ホストを務め…

集めきられん『江戸川乱歩全集』の思ひ出

自分が最初にコンプリート、すなわち“完集”という概念を意識したのは、1978年に講談社より刊行された『江戸川乱歩全集』(函入り、全25冊)だった。当時17歳。好きな漫画の単行本を買い集めるために、バイトしては本屋に通いはじめた頃。たしか書店の店頭に…

辛口好きな黄色い子熊

昨日から新宿の京王百貨店では、恒例の歳末古書市が開催されている。日々、あっちゃこっちゃの古書店を訪ね回っている古本コレクターにとって、デパートの古書市は数多くの店の棚を一度に見てまわることができるので効率がよく、非常にありがたい。ただし、…

中古盤屋で語る自分史 その6

【7】iPodとの出会い持っていたアナログのレコードの大半を処分し、ごく普通の音楽マニアとして、聴きたいCDだけを買う生活になってしばらくした頃、突然、おれは音楽への興味を失ってしまった。理由はわからない。なんか知らないけど、いきなり音楽がどう…

中古盤屋で語る自分史 その5

【5】江川光さんの思い出時系列的に、ここには葛飾区の某所にあった中古レコード店に通い詰めていた頃の話が入るのだが、それは以前「江川光さんの思い出」として、ブログにアップしてしまった。なので、まだ読んでないという方は、以下のリンク先のエント…

中古盤屋で語る自分史 その4

【4】数寄屋橋ハンターの思い出中古レコード店の最大手「ハンター」がいつ閉店したのか、残念ながら自分の記憶にはない。おそらく、中古盤屋通いに冷めていた時期だったのかもしれない。ネットで調べてみると、こちらのブログに「2001年の夏に突然消えてし…

中古盤屋で語る自分史 その3

【3】えとせとらレコードがミニコミ発行廃盤とは直接関係がないけど、えとせとらレコードがミニコミを作ったことがあるのをご存知だろうか。 当時、店で委託販売されていた『リメンバー』や『よい子の歌謡曲』に感化された新井社長が、「うちでも雑誌やろう…

中古盤屋で語る自分史 その2

【2】廃盤ブーム到来当時スタートしたばかりの『タモリ倶楽部』を見ていたら、「廃盤アワー」というコーナーで廃盤歌謡曲専門店の「えとせとらレコード」という店が紹介されていた。「廃盤アワー」というのは、放送作家の佐々木勝俊*1氏による企画で、番組…

中古盤屋で語る自分史 その1

思うところあって、自分とレコードコレクションとの関わりをまとめておくことにした。以下、5回に分けて掲載する。 【1】廃盤、夜明け前いまから30年ぐらい前。つまり1980年前後。 当時おれはまだ専門学校生で、音楽はパンク6割、テクノ2割、ハードロッ…

開催!【蒐集原人の夜 Vol.2】

またやるぜ! 7月29日! 前回来れなかった人、みんな予定空けといて! コレクト、エレクト、コンプリート! 【蒐集原人の夜 Vol.2】計画停電&運行規制という震災直後の悪条件の中、 3月14日にスタートしたコレクター・トークライブ「蒐集原人の夜」が、 ネ…

足の踏み場もない家で

10年前にマンガ本を3000冊、活字の本を2000冊売り払って、レーザーディスク200枚ぐらい捨てて、トレカも3000枚ぐらい売って、さらにその倍ぐらいの枚数を捨てた。 かなり部屋から物が消えた……と、喜んでいたのも束の間。人喰い映画を本気で集め始めた頃から…

トークライブ「蒐集原人の夜」開催のお知らせ

最近、機会あってパスカルズの石川浩司さんと知り合った。 ご存知のように石川さんといえば“元たまのランニング”だけど、ミュージシャンとしての活動以外にも、納豆ラベルとか、マイナー缶ジュースとか、即席ラーメンのパッケージとか、普通の人は丸めて捨て…

横山やすしがやって来るメガネ!メガネ!メガネ!

ま、ちょっと言ってみたかっただけで、実際にやすし師匠はやって来たりしないんだけど、このリズム感はやっぱり何度口にしても気持ちいい。表紙イラストも併せて正真正銘のメガネ本だ。 ▲『眼鏡めがねメガネ/高橋功』(1982年 広論社)とにかく眼科医の書い…

22年ぶりの再会にシェ〜〜〜〜!!

『世界のシェー!!』という写真集がある。世界のシェー (よりみちパン!セ)作者: 平沼正弘出版社/メーカー: 理論社発売日: 2010/03/24メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を見る世界中の国々を旅してまわって、様々な人種、民族のひと…

切手はひと舐め1ピコキュリー(嘘ビア)

『切手でつづる原子力/三島良績』(1983/サンケイ出版)たしか銀座松屋の古書市で手に入れたのだったか。コレクションをテーマにした本には滅法弱いおれが、こんな魅力的なタイトルを見せられたら買わないわけにいかない。何よりも、この本で採り上げられ…

レコードコレクター・江川光さんの思い出 後編

(前編からの続き) 一般的に、レコードコレクターは同好の仲間とは一緒に中古屋めぐりをしない。なぜなら、ひとつしかないレア盤をめぐってトラブルになったりするからだ。たった1枚のレコードのせいで友情が壊れたなんて、まったく笑えない話だ。でも、江…

レコードコレクター・江川光さんの思い出 前編

おれは同年代の普通の人よりもかなり手広く、オールジャンルの音楽を聴く方だろうと思うが、いちばん好きで、いちばん長時間聴いているのは、いわゆるパンクと呼ばれるジャンルだ。これは誰に影響を受けたわけでもなくて、純粋に自分の魂の衝動として、聴か…

新宿京王百貨店「越前かにめし大会」開催中

1月7日、新宿京王百貨店にて元祖有名駅弁と全国うまいもの大会、通称「駅弁大会」がスタートした。 http://keio-ekiben.cocolog-nifty.com/ おれは2005年に飲み友達のモギ&ダリオという駅弁大会マニアからその魅力を教わって以来、毎年この大会がはじまる…