社長のお言葉

事件のドキュメンタリーを読むのが好きでね、古本ハントしていてその手のノンフィクション本を見つけるとつい買ってしまうんだな。

ペッパーランチ物語

ペッパーランチ物語

この本も、背表紙のタイトルを見た瞬間に「あー、ペッパーランチ事件の!」と思い込んで、それ以上深く考えずにカゴへ入れた。

あの事件は衝撃的だったねー。心斎橋店の店長が従業員と共謀して、一人で来店していた女性客を襲って監禁、暴行。結果的に被害者は救出されたからよかったものの、もしも逃げることができなかったら、犯人たちはどうするつもりだったのか。まさか殺して、死体をバラバラにして……。ああ、想像するだけでも背筋が凍る!

で、本書を買って帰ってきておっかなびっくり読んでみれば、中身はおもに創業社長の一瀬邦夫氏が社内報に連載していた文章をまとめた本であり、事件のドキュメンタリーでもなんでもないのだった。そりゃそうだ。ちゃんとタイトル見ればわかりそうなもんだ。

ま、それはそれとして、せっかくなので創業当時の失敗譚から、とてもいいエピソードをひとつ引用しておきます。

八百屋から「にんにく」を買うと「人肉」と伝票上に記入されてきます。無知だった私は、ステーキメニューに「人肉入り」と書いて提供し続けたのです。お客様はどう思われたか、今思い出すだけでも、穴があったら入りたい心境になります。あの固いステーキに人肉入りのステーキソースは大失敗には違いありません。