戦慄すべきオカンアート本の世界

オカンアートというものがいったい何かは、いまさら説明するまでもないかな。5年ぐらい前に2ちゃんねるで誰かがその概念を提唱し、以来、みんなで実家に転がっている作品群をアップしては、心暖まったり戦慄したりしている。そのへんの流れは以下のサイトにまとめられているので、ヒマな人は見るといい。

オカンアートスレ過去ログ保管庫
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/2512/okanart/index.html

あいにくうちの母親は人並以上に手先が器用な人だったから、オカンアートに取り組んで家族を恐怖のどん底に突き落とすようなことはなかった。これ、逆だと思われるかもしれないが、本当に器用な人というのは、その能力を仕事に向けてしまうので、わざわざオカンアートには向かっていかないのだ。むしろ手先があまり器用でない人ほど、モノ作りへの憧れを強く抱き、そのエネルギーが形になったものこそオカンアートの正体なのではないか、とおれは分析している。

さて、そんなオカンアートに関する本も、見つければ欠かさず買っている。もちろん、上記のような視点でオカンアートを研究している本、なんてものはない。オカンアート本というのは、ようするに「オカンがアートを作る際に参考にするテキスト」のことだね。平たく言えば手芸本だ。

たとえばこれなんぞ、いかがだろうか。


『ソープバスケット/日本フラワー技芸協会編』
世のオカン方は、こうした本を参考にしてアート活動に邁進しているのであろう。まえがきから少し引用する。

『ソープバスケット』あるいは『石けんの花篭』と呼ばれる美しい手芸品の30種120点をカラー写真で紹介し、それぞれの作品のつくり方を写真と図解でやさしく解説いたしました。このテキストさえあれば貴女にも簡単につくれます。

ようするにそういうことだ。

そしてもう一冊、ご紹介しよう。


『たばこペーパークラフト/財団法人専売弘済会編』
これもなかなかいい本だ。本文中にはたばこペーパークラフトの起源について触れた箇所もあり、ある種の人(わたしのような)には貴重な情報だと思われるので、以下に引用しておく。

たばこペーパークラフトの発生は、どちらかというと自然発生的なもののようです。京都たばこサービスセンターの話では「蛇の目傘」を最初につくったのは、競輪選手だということです。ご存じのように競輪選手は、試合の前の数日間は外部との接触を禁じられるので、その閑暇に自分の喫っていたたばこの空き箱をいろいろな形につくっているうちに、偶然「蛇の目傘」のアイデアを思いついたとか。

起源がオカンじゃない! しかも競輪選手! これ、驚きの事実だと思うのだが、どうだろうかね?