あざみさんふたたび

本ブログの一回目では、埼玉県に住む大家族・青木家の長女あざみさんの1冊目『まっすぐに。』を採り上げた。そのとき2冊目のことにもチラリ☆と触れておいたからもういいかと思っていたんだけど、その2冊目である『いつも。』には、「東京郊外在住→元ヤン→早婚→シングルマザー→大家族の連鎖」という素敵なコンボに彩られたある種の人間像を考えるうえで、とても重要なヒントになるフレーズがふたつほどあったので、やっぱりそれだけでも紹介しておかねば! と妙な使命感を感じてしまった。なのでー、あらためてご紹介します。

いつも。

いつも。

問題の箇所は、お父さんと家事のやり方について口論する場面。「お前のペースだけでやっちゃいけない」と諭すお父さんに対して、頭ではわかっていてもつい反発してしまうあざみさんは、こんなふうに口答えする。

はぁ? なんでだし

なんでだし! これはねー、狙って書いたんじゃ出てこないセリフだと思う。生半可な脚本家には書けない本物の言葉。「だし」が効いてる。
そしてもうひとつ。16歳のときに出産した長女さとみちゃんが水疱瘡にかかったらどうするか、という問いに対してのセリフ。

もし、さとにミズボが出た時は、即効(原文ママ)で病院行って入院させたい。あざみ、それくらい心配性だからさ。

ミズボ! 小さい頃から実の母に虐待され、施設に出され、家族を捨てた母の代わりに幼い弟や妹たちを自分が育て、やっと幸せをつかんだと思ったら亭主は種だけつけて逃げてしまい、まだ自分だって遊びたい年頃だろうにそれでも子育てに追われ、そんな苦労だらけのあざみさんだが、それでもやっぱり彼女は……ギャルなんだよ!
どうかひとりでも多くのひとがあざみさんの本を(ブックオフじゃなくて新刊で)購入し、青木家の子供たちがおいしいものを食べられますように!