顔面のない写真集

その昔、伊集院光がラジオで「架空のアイドル“芳賀ゆい”」という企画をやっていたのは知っていた。番組中にリスナーとのあいだでどんどん架空のプロフィールを作っていって、ある程度まで盛り上がってきたところで、どっかから女の子を連れてきて、本当に「芳賀ゆい」っていう芸名でレコードデビューさせたんだよね。タイトルは『星空のパスポート』。これがいかにもとってつけたようなアイドルポップスで、好き者の心をくすぐる佳曲だった。

でもこの曲、作曲者である生福(生方則考&福田裕彦)の『酸素でルルル』をリサイクルしたものなんだな。おれ、生福好きだったんだよ。彼らのアルバム『内容の無い音楽会』は冗談音楽の名盤だよ。せっかく持ってたのに、お金ないときうっかりディスクユニオンに売っちゃってさあ、また買い戻したいんだけど、もうどこにもないんだ。たまにヤフオクに出ても6000円とかするしね。くっそー。
何の話だっけ? そうそう、芳賀ゆいね。実体がない彼女はレコードだけでは飽き足らず、あろうことか“写真集”まで出してるんだよ。

これはすごいね。アイドルの写真集なのに一切顔が写ってないなんて! 誰なんだキミ。

裸じゃないけど、この怪しさはすでにエロ本。

腋の下だけトリミングしたカットとか、どうかしてる。
最初は単なるキワモノ的興味で手に入れておいた写真集だけど、これもまた「覆面歌手」の一種ではないかと思ったら、俄然、興味が出てまいりました。大事にしまっておこう。