タワーリング・インフェルノ

本屋で「ライブドア」について書かれた本を見かけると、つい買ってしまう。もちろん、いまの健全なライブドアではなくて、粉飾決算でお馴染みの旧ライブドアだ。

ただ、ライブドア本といっても、実際に出版されているのは、元社長である堀江貴文氏の本ばかりだ。皆さんご存じのように、あの人は大ボラを吹いてくれるので(当事者以外にとっては)とても痛快に感じられる存在だろうし、「想定の範囲内」とか「稼ぐが勝ち」とか「だってバカでしょ?」とか、悪目立ちのするキーワードを連発してくれるから、ある種の層にとっては商品価値がある=書籍にしやすいんだな。

で、まあ堀江元社長もさることながら、かつてのあの会社には証券取引法違反で逮捕された宮内亮治岡本文人中村長也熊谷史人という味わいの塊みたいな人材がゴロゴロしていたし、乙部綾子さんという天然風味の素敵な女性もいた。それらの人達のことも、もっと知りたいと思ってしまった。そんな彼ら彼女らのことを深く知ることのできる本はないのか! と思っていたところで発見したのが、この本なのだった。

livedoor?何だ?この会社

livedoor?何だ?この会社

これは旧ライブドアがネット界でブイブイ言わせていた絶頂期に出版された本で、ライブドアという不思議な会社がどんな事業を行っているのか、どういう理念で動いているのか、どういう人達が運営しているのか、ということが克明に紹介されている。

なかでも読み応えあるのが、堀江、宮内、岡本、熊谷ら逮捕オールスターズのインタビューだろう。みんな自分たちの会社運営がいかに素晴らしいかを切々と語ってくれているわけだが、当時ならいざ知らず、いま読んでみると素晴らしさを見せつけられるというよりも、いろんなものがガラガラと崩れる音が聞こえてくるようで、なんとも言えない気持ちになる。

まったくもって「何だ?この会社」である。