パラパラ漫画「脳髄くん」

元脳外科医の著者が、脳障害についての様々な事例を紹介しつつ、それに対してどのような処置を施したのかを克明に解説した本だ。

医療関係の本っていうのは、一歩間違えると非常にchaotic discordな世界に向ってしまうけど、これはそういうものとは無縁で、自分の命を削ってでも患者を助けようと努力する医師たちの、熱い魂が伝わってくるとてもいい本だ。

いい本……なのは間違いないのだが、しかし、表紙がこうなんだな。


『脳が壊れるとき/金子満雄』(メディカルトリビューン/1988)

いきなり真ん中に人間の脳の写真。イラストでもCGでもなく。死体から取り出した本物の脳の標本。医療本だから中のページにグロい写真が載ってるのは、ある程度は覚悟をしている。でも、表紙じゃ逃げらんないよなあ。カラーだしなあ。著者(脳外科医)にとっては、見慣れた物体かもしれないけど、やはり一般人はギョッとするよ。

こうした感覚のズレというのは、本書の中にはもう一カ所あって、それが著者近影だ。はい、どうぞ。

ふつう著者近影でバイオリンは弾かないと思うよ。

ま、だいたいこの2点で買おうと決めたんだけど、買って帰って家でめくっているうちに、もう1点、おもしろいことに気がついた。この本、各ページの左上に本文の解説用として脳のMRI写真が載ってるのね。これが章ごとに写真が変わるので、なんだかパラパラ漫画みたいでおもしろいんだよ。

このためだけにわざわざYouTubeのアカウント取って動画アップしたから、見てちょうだい。

ね、ちょっといいでしょ。