レコードを箱で買う

中古レコードを箱ごと買うときがある。何をまたバカなことを……と思われるかもしれないが、本当だ。ネットで中古盤のオークションをチェックしていると、ときどき、

「大処分◇邦楽シンングルを箱ごと売ります◇200枚セット」

みたいな出品があるのよ。


▲画像はヤフオクからガメてきた)イメージです。

レコードがそういう出品のされ方をするときというのは、だいたい“倒産”か“引越”のどちらかだ。

倒産の場合は、リサイクルショップかなんかが潰れて中古のシングル盤が大量に出たけど、これを1枚1枚オークションに出品するのは面倒だから一気に売っちゃえ! というような状況のとき。

引越の場合は、若い頃に集めていたレコード(といってもコレクターではなくて聴きたい曲を買ってるうちに自然と集まってしまったもの)が押入れから出てきたので、引越を機に処分してしまいたい! というような状況のときなんだな。

いずれにせよ「捨てるよりはマシ」という程度の理由で出品しているので、スタート価格はメチャ安い。安いのだけれど、それらのレコードが集まっていった理由を考えればわかるように、そのレコードの山の中にマニアが喜ぶようなレア盤が入っていることは、ほとんど、ない。

しかし、ありえないのはわかっていながらも、「ちょっとおもしろそう……」とか思ってしまうんだな、おれは。

たとえば、スタート価格500円ぐらいで出品されているその箱を、一部の好き者と競り合って1500円で落札したとする。そこからたった1枚でも掘り出し物が出てくれば儲け物だし、よしんば何もレア盤が出てこなかったとしても、どこかの中古盤屋に持っていって売っちゃえばいい。最低でも1枚7.5円で買い取ってもらえれば元が取れるわけだし、それ以上になれば利益さえ出てしまうのだ!(実際にはそう都合よくいかないんだけどね)。

でまあ、この間もそんな感じでイチかバチかの箱買いをしてみたんだが、届いた箱を開けたら、こんなのが1枚出てきた。

大当たり。

いや、これを大当たりと言ってよろこんでいては事故に遭われた被害者の方*1に申し訳ないが、珍盤コレクターとしてはやはりこれは当たりと言わざるをえない。こういうことがあるから、レコードの箱買いはやめられないんだな。

残りの199枚? もちろん某中古盤店に持っていって売っちゃった。

*1:この方、藤森善一さんは、御自身も事故で両足を切断するという重傷を負いながらも、身体障害者が自立するためには自動車運転免許証を取得することが有効と考え、生涯を通じて障害者の運転教習活動のサポートに取り組んだとってもえらいひとなのだった。