集めない理由

ヤフオクのトレカ・カテゴリーで何かおもしろそうなカードが出品されていないか、ときどきチェックしている。といっても、一般的なカードジャンルにはそんなにおもしろいものはないのがわかっているので、トレカの中でもさらに細分化されたカテゴリの上から順番に「コミック、アニメ」「スポーツ」「タレント」「ゲーム」「ミュージシャン」「競馬」「特撮」「アダルト」……というのは全部すっ飛ばして、最後の「その他」だけを重点的に見る。そうすっと、たいていは「神羅万象チョコのおまけカード」といったような、おれの興味とはかけ離れたものがいっぱい出品されていてうんざりするんだが、ときどき「JAWS2トレカ/全種セット」みたいなキラーン☆と光るいい出品と出会ったりもする。

とはいえ、こいつはスタート価格5000円オーバーのボリボリ価格だったので入札はしない。それぐらいの価値はあると思うけど、オークションのスタート価格でいきなりこれはない。

で、まあ、さらにどんどん見ているうちに、ヘンなのを見つけてしまった。それが「船橋AUTOカード」というやつだ。

トレカの世界で「Auto.」といったら、それはAutographs、すなわち「直筆サイン入りカード」のことなんだが、出品されているものを見ると、どうも様子がちがう。そもそも「船橋」って、なんなんだ?

商品写真をよく見て、さらにいろいろ検索して調べてみたところ、どうやらこれは船橋オートレース場で配布(?)されている選手のカードらしい、ということがわかった。そう、Autoraceの“Auto”だったんだな。で、もう皆さんおわかりだと思うが、こういうものを見たおれが黙っていられるわけがない。集めるかどうかは後で考えるとして、まずは1枚手に入れる。そういう奴なんだおれは。

というわけで、落札したものが先日手元に届いた。そして封筒から取り出してみたところ……ガーン。

ペナペナなのだ。トレカ特有のちょっと固いカードっぽさが感じられない。いわゆる“コシがない”状態。そのくせ、やけに表面はテカテカ。これはもしや……と、裏返してみたら案の定、写真の印画紙だった。つまり、トレカっぽい額縁のようなデザインはされているけれど、モノとしては単なるキャビネ版に焼き付けられたオートレース選手の生写真だったのだ。

そう、キャビネ版という半端なデカさも、トレカ野郎にとっては実に気持ちがわるい。手元にたまたまあったDVDのパッケージの上に載せてみるので、その半端な大きさを感じ取ってもらいたい。

ああ、でかい……。