漫画でわかる糖尿病

漫画家というのは転んでもタダでは起きないもんだ。友人の海野やよいさんが糖尿病だと発覚したのは2007年の10月のこと。元々肥満気味の人だった(本人もそれを自分のキャラにして笑っていた)し、お父様も糖尿が元で亡くなっているというし、素質はあったんだよね。
まあ、なってしまったものは仕方がない。重症一歩手前ではあるけれど、太っているひとはダイエットすることで改善もしやすい、との医師の言葉に勇気づけられ、ひたすら治療生活をおくってきて、いまではかなり改善されている。食事制限はそれなりにあるけれど、人間40歳も過ぎれば、そんな好き放題なんでも食べていていいわけがないんだから、むしろ食事制限上等だよ。というか、ついでにダイエットもしちゃったもんだから、海野ちゃん、美人になってる!
で、最初の話に戻るが、漫画家を生業とする彼女はその闘病記録を4コマ漫画にしてブログで連載し、この度、それが本になったというわけだ。

はちみつBlood

はちみつBlood

いいタイトル。佐野元春にテーマソング作ってほしい。
本書でいちばん傑作なのは、食事制限に意欲を燃やす(ついでに脂肪も燃やせ!)海野ちゃんが、電子式の計量秤を買うところだ。もちろん食べるもののカロリー計算をするために使うわけだが、その使い方も彼女はひと味ちがう。食事療法で制限された数字を守るのは当然ながら、その許された分量のギリッギリ一杯まで、本人曰く「許される範囲で最大限の量」を食うために、秤を使うというのだ。その、なんだかわからない気迫には、ただただ圧倒される思いである。
我が家も親父がいままさに糖尿病で棺桶に片足突っ込んでるし(糖尿のクセして家族に隠れて毎日1本缶コーヒー飲んでやがる)、おれ自身も2年前に酒やめてからその反動でものすごい甘党になり、なおかつ食事料が増えているので、糖尿病ってのはまったく他人事ではない。彼女の悪戦苦闘する姿をゲラゲラ笑いつつ、ときに戦慄しながら読ませてもらった。会社のひきだしに入れてあるミックスチョコレートを食べるのは、明日から1日ひとつだけにしよう。

海野やよい日記ブログ ザンゲの値打ちもない
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