覆面歌手のルーツをさぐる その3「初代コロムビア・ローズ」

コロムビア・レコードは、ミス・コロムビアの活躍でかなりおいしい思いをした……かどうかは知らないが、1952年にミス・コロムビアの妹分のような存在として、初代コロムビア・ローズをデビューさせる。やっぱり覆面歌手である。最初は「初代」なんて付いていなかったと思うのだが、このあと二代目、三代目と襲名させていくことになり、いつからか最初のローズは“初代”コロムビア・ローズと呼ばれるようになったのだ。

さて、その初代コロムビア・ローズは、1933年1月9日、群馬県桐生市に生まれた。本名は斉藤マツ枝だが、引退後に日本コロムビア社員の松本巌氏と結婚し、松本光世と改名している。

これは引退後7年経ってから、往年のヒット曲を再レコーディングしたベスト盤。当時の歌唱ではないので、レコード・コレクション的にはあまりレアな盤ではないのだが、覆面歌手コレクション的には非常に重要なアイテムとなる。なぜなら、ジャケットを開いたところに、初代コロムビア・ローズとしての覆面姿の写真が載っているからだ。


とてもいい写真。

こうしたアルバムが出ることからもわかるように、初代コロムビア・ローズは引退後も積極的に歌の世界と関わりをもっており、現在は千葉と埼玉に「ローズ会」という歌謡教室を開催している。

初代のデビューから10年後の1962年には二代目コロムビア・ローズが、2004年には三代目コロムビア・ローズがデビューしている。しかし、どちらも覆面歌手ではない。

というわけで、3回に分けての覆面歌手のルーツをさぐる旅でした。間もなくリバーシブル吉岡もデビューすることだし、みんなもっと覆面歌手に注目しよう!