木、青、亀、釣り、穴、月、船

あぶらだこというバンドが大好きでね、インディーズ時代のレコードはもちろん、メジャーデューしてからのアルバムも全部買って聴いていた。

彼らのアルバムにはひとつ特徴があって、それは「タイトルがない」ことだ。正確にはタイトルがないわけではなくて、どのアルバムもバンド名の「あぶらだこ」が、そのままアルバムタイトルになってるんだ。

つまり、発売順に並べていくと、

 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ
 『あぶらだこあぶらだこ

こんなふうになっている。しかし、これじゃ何がなんだかわけがわからんから、ファンの間では彼らのアルバムはジャケット写真のモチーフから「青盤」とか「亀盤」とか「船盤」とかいう具合に通称されているわけ。

さて、いまから7〜8年ぐらい前だったと思うけど、おれは突然すべての音楽から興味を失ってしまったことがあった。そのとき、衝動的に当時所有していたほとんどのレコードやCDを下北沢のディスクユニオンに売っちゃったんだな*1。もちろん、あぶらだこも売ってしまった。

あースッキリした! と東の青空に向って両手を広げて深呼吸していたおれだったのだが、それから半年後くらいにiTunesiPodと出会った瞬間、電気が走った。ビビビビビ。とくにiTunesは衝撃的だった。単なる音楽再生アプリというだけではなくて、あれを使うと音楽の聴き方すら変わるんだよね。そして、一度は失われてしまった音楽への興味がものすごい勢いで再燃した。我ながら難儀な性格だなあと思うが、そうなっちゃうともう止められないので、過去に好きだったアルバムを猛然と買い戻しはじめた。

で、これが本題。

3年ぐらい前にあぶらだこのアルバムを2枚買い直したときのレシートの写真が出てきたので、皆さんにお見せしたい。なんでわざわざレシートの写真なんか残してあるのかといえば、こんなんなっていたからだ。

「キ」と「アオ」。さすがはディスクユニオン下北沢店。わかってらっしゃる。

*1:売ったのは“聴く用”のロックが中心であって、覆面歌手とか馬鹿ジャケの“コレクション用”は売らなかった。偉いなーおれ。