33000000画素の衝撃

世田谷区砧にあるNHK放送技術研究所が技術公開をやっていて(今日まででした)、そこで見られるスーパーハイビジョンの映像がすごい、と古澤健さんのブログで知ったので、あわてて見てきた。

▲かっこいいNHK放送技術研究所。建物の前にパラボラがあると地球を守ってる感じするよね。
入ってすぐ係のひとに「写真撮影は禁止ですか?」ってきいたら、著作権のあるもの(展示されてるモニタ内に映っている商品や人物など)は写さないように注意してもらえば、写真を撮ること自体はとくに禁止をしていない、と非常に丁寧に説明してくれて、めちゃめちゃ好感度アップ。
で、放送技術の細かいことはサッパリわからないので適当にかいつまんで見学していって、ようやくスーパーハイビジョンのデモンストレーションを発見。札幌からの生中継の映像を大画面モニターで見してくれた。

▲すごい! たしかにすごい……んだけど、だから何? っていう感じも正直なところあった。
映像の密度は非常に細かいのだ。なにしろスーパーハイビジョンは通常のハイビジョンの16倍の画素だそうで、それこそ3キロぐらい先を歩いてる人物の性別もわかるくらい緻密で美しい。でも、結局は札幌テレビ塔のてっぺんからの固定映像なので、絵的にはそうおもしろいものではないんだな。こんなにクリアで乱れのない映像が生中継で! という驚きはあるんだろうけど、技術者じゃなければその辺の価値はピンとこないよね。
ところが、さらに順路を進んでいったら「スーパーハイビジョン・シアター」というのがあって、ここでは日本各地で撮りあつめてきた風景映像を巨大スクリーンで見してくれるのだという。これが大人気だったのだ。

▲約2分強の上映を見るために15分待ちの行列。でも、おれは「UMA-SHIKA」持ってきたので退屈知らずだぜー。
ここで見せてもらった「スーパーハイビジョン 日本の遺産」という映像がとんでもなく素晴らしいものだった。動き出す蒸気機関車の動輪の表面にある鋳鉄特有の質感、子供たちが飛び込む水のしぶき、風に揺れる水田の稲穂の粒々、ねぶた祭の灯籠の内側に張ってある竹ヒゴの1本1本、そういうものが全部くっきり見える。見えすぎる。何しろ3300万画素。画質がいいとかそういうレベルを超えている。こんなふうに!(↓)

もうこれだけで十分来た甲斐があったわけだが、その他にもまだたくさん展示しているので、いろいろ見ていく。なかでも興味深かったのは、この「風の映像化システム」だな。

▲大気中の“ちり”にレーザーを照射して、その反射光の値からちりの動きを算出して「風」を映像化しているという。
とてもゲーム的な発想で、いろんなことに応用が利きそうだ。シャマランの『ハプニング』にこの技術を導入したらものすごいヘンな映画になるよね。あのまんまでもバカ映画だけど。
それから、スーパーハイビジョンを映し出すための「広ダイナミックレンジ・プロジェクター」のデモンストレーションもやっていて、これもかなりおもしろかった。最大の特徴は「黒が本当に黒い」ことだそうで、従来機と比較するとその差は歴然。これは隠し撮りしてきたのでお見せしよう!

▲黒いなー。テレビ消したときより黒い。
そんなこんなで、入場無料なのに2時間ぐらいたっぷり楽しめた。
帰り際には、この研究所のイメージキャラクター「ラボちゃん」と記念撮影をして、その場でポストカードにしてくれるサービスもあって、たくさんの子どもたちが群がっていた。

▲おれ、こういう記念撮影コーナーって好きなんだけど、一人で来てるとこういうとき困るんだよね。しかもおっさんだし。娘でも連れてくれば、子どもをダシにして写真撮ってもらえるからいいんだけどねー。









▲撮ってるし。