超能力で今日も健康

コメント欄でのリクエストにお応えして、今回は『超能力健康法/川津祐介』をご紹介する。
川津祐介といって思い出すのは、なんといっても草波隊長。テレビ版『ワイルド7』で冷酷な検事正の草波役を演じていたっけな。おれはテレビドラマってあんまり見ない子供だったけど、望月三起也の大ファンだったもんだから、あのつまんないドラマも真剣に見てた。
あとそれから思い出すのは、いしかわじゅんのエッセイ漫画『フロムK』で、某俳優の娘のボディガードが感じわるかった、っていうエピソード。なんでそんな細かいこと覚えてるんだろうおれは。
で、ここにきて『超能力健康法』だよ。いきなりタイトルで引き込まれるね。テキトーな感じの表紙デザインもいい。

『超能力健康法/川津祐介』(1985年/現代出版)
おれはこの本の存在を知らなかったから、ブックオフで見かけたときに「うわーっ!」と思って即買いしたんだけど、あとで調べたら、けっこうなベストセラーになったらしい。そうりゃそうだろうなあ、当時人気絶頂のアクションスターが超能力とか言い出すんだもんなあ。
どういうわけで草波隊長が超能力に傾倒していったのか、要約してみるとこんな感じだ。
1975年のこと。川津祐介が自宅で酒を飲んでいたら、いつの間にか肋骨を骨折していた。酔って暴れたとか、階段から落ちたとかいうわけではなく、痛飲して、寝て、起きたら折れていたという。原因不明。さらに、その骨折した胸の上へ奥さんが尻餅をつくという目に遭い(どんな状況?)、そこから整体治療を受ける過程で、ある気功師と出会った。その気功師は、患部に直接手を触れることはせず、愉気(掌から自分の気を相手の中に送り込むことらしい)だけで、ひどい骨折をあっけなく治してしまった。気のパワーの素晴らしさに目覚めた川津は、スタッフや芸能人仲間にも自ら治療を施すようになっていくのだった……。
草波隊長の超能力への傾倒っぷりはハンパではなくて、これ以降、気のことや、神のこと、生命のことなどについて、全国各地で講演をしたり、本を書いたりするようになるのだった。そのひとつの成果が本書であり、その続編ともいえる『神様ありがとう。今日も元気!』だったりするんだな。

『神様ありがとう。今日も元気!/川津祐介』(2008年/三宝出版)
こっちもちゃんと読んでるおれって、つくづくエライと自分で思う。つーかただの川津ファンなのかもしれない。それはちょっとイヤだ。