明日に向かって吹け!

本日ご紹介するのは久しぶりの珍スポーツ本、『吹矢健康法』である!


▲『新スポーツ 吹矢健康法/医学博士 林督元』(1999年/ぶんぶん書房)

タイトルだけ見ると、スポーツなのか、健康法なのか、どっちだかよくわかんないが、そんなことはどうでもよい。とにかく「スポーツ吹き矢」なのだ。いい響きだよねえ、スポーツ吹矢。耳にしただけでいろんなイメージが頭の中を駆け巡る。かつて、作家の若桜木虔センセイの日記をウォッチしていた頃に、センセイの弟子がスポーツチャンバラなるものをやってるのは知ってたけど、スポーツ吹矢という競技の存在は、不勉強ながら知らなかったんだよねえ。

たとえば、本来のチャンバラっていうのはようするに真剣同士の斬り合いだから、非常に危険。へたすりゃ死ぬ。というか相手を殺すのが目的。でも、いまの時代にそんなことは許されないわけで、純粋にチャンバラの駆け引きだけを楽しみたい、という人達のために生まれたのが、ウレタン製の剣で戦うスポーツチャンバラなのだ。

で、吹矢にも同じことがいえる。本来の吹矢っていうのは、先っちょに鋭い針がついていて、しかも猛毒を塗ったりするんだよね。でも、そんなことしてうっかり人に刺さると死んじゃうので、毒は塗らない。先っちょも丸めておく。そうすることで殺人兵器の吹矢が、純粋に的当て競技としての「スポーツ」に変わるわけだ。

この本の著者がいいたいことからどんどんかけ離れてきている気がするので、話を元にもどそう。吹矢健康法である。

吹矢というのは、呼吸を整え、精神を集中し、腹式呼吸で一気に吹いて的を狙う。つまり、精神の安らぎを得ることができ、血液の循環もよくなる、とても健康的なスポーツなのだ。おまけにチャンバラほど激しい動きを必要としないので、子供からお年寄りまで年齢を問わず楽しめてしまう。まったくいいことずくめではないか。それを強力にお薦めしているのが本書というわけだ。

あと、「吹矢健康法」でイメージ検索するとイイ感じの画像がいろいろ出てきてけっこう楽しい。

なんつーかさあ、最初はどんだけ珍妙なことが書いてあるんだろう? という野次馬的好奇心でこの本を読みはじめたんだけど、読んでいくうちにどんどんおもしろく感じてきちゃって、思わずネットで日本スポーツ吹矢協会のサイトとか検索して、入会しようかどうしようか迷ってるおれがいますよ。