亀戸・こん平のもつ刺し盛り合わせ

ブックオフが2軒もあることで有名な亀戸にもつ焼きの名店があると、シャバ僧(別名:チャトラネコくん)が誘うので、映画好きの仲間数人で行ってきた。


その名も「こん平」。もみあげが外側へはねてる師匠とはとくに関係はなさそうだ。

もつ焼き屋へ行くときはいつも一人で、カウンターに座ってハイボールをちびちび舐めながら、無言でもつ焼きの串をかじるのが好きだ。そもそも下町のもつ焼き屋っていうのは、そういう一人客用に出来ている。テーブルもあるにはあるけど、お座敷のある店はあんまりない。ところが、こん平には2階にお座敷があって、最大で20〜25名ぐらいは収容できる。ま、そんなには友達いないので、今回集まったのは7人だけだけど、大勢でわいわい言いながらもつ焼きを食うのもわるくないもんだ。

提灯に「もつ焼き」と銘打っておきながら、実際にはタンとシロとレバぐらいしかなくて、しかも生(もつ刺し)はないという詐欺みたいな店も多いなか、こん平の品揃えは見事だった。焼きに関しては、いわゆる豚モツの部位はほとんどある。刺しも基本はすべて取り揃え、ホーデンまであった。

焼き物は、とくに個性的な味というわけではなく、普通にうまい。この“普通”ってのが大事だ。1本120円という価格設定は、100円以下が常識の下町系もつ焼き屋としては高いほうだが、不満を感じるほどではない。

驚いたのは刺身の味だ。もつ刺し盛り合わせを頼んだのだが、これが驚くほどうまかった。


皿の奥からコブクロ、タン、ネギの下に隠れているのがレバー、ホーデン、ハツ、ガツ。これで1100円。これも最初は(ちょっと高いのでは……?)と思ったんだが、ガツをひと切れ食べて考えが変わった。歯ごたえがありつつも柔らかく、臭みもなくて非常にうまい。これは本当にいいガツだ。

レバ刺しというのは、質の善し悪しが明確に出てしまうものなので、手を抜くとすぐにバレてしまう。だからどこの店でも努力する。けれど、ガツは質の差があらわれにくい部分なので、どんな名店で食ってもだいたいが靴底なのだ。でも、この店は違った。靴底なんてとんでもない。まるで上等なスウェードの靴を食べているような……(伝わるか不安になってきた)。

とにかく、亀戸のシャバ僧よ、いい店を教えてくれてありがとう。きみもやれば出来るじゃないか!(なぜか超上から目線)