古本たずねて神戸弾丸ツアー その4

昼食を終えたおれは、ヤスケンさんご夫妻に案内されながら神戸の街をテクテク歩いた。暑くもなく、寒くもない、絶好の古本日和だ。JRの高架の北側エリアを、三ノ宮から元町方向へしばらくあるくと、普通の住宅街っぽいところの一角に、トンカ書店があった。

12:30開店ということでほぼ時間ぴったりに来たが、開いてない……。馴染みのヤスケンさんがノックしてみるも、とくに返答はなし。でも「今日は休みのはずないからもうじき開くよ」ということで、となりの香港王(ホンコンキング)でドニーさんの輸入DVDをチェックしてみたり。

そうこうするうちにトンカ書店が開いたようなので、さっそく中をチェック。サブカル系中心でおれ好みの品揃え。雑貨と古本の他に、カフェも兼ねているらしい。ポスターで欲しいのが1枚あったけど、さすがに遠距離を持って帰るのは大変そうなのでこれはあきらめ、代わりにいい本を1冊ゲット。

コシノ母&三姉妹ー! タイトルもジャケも最高。これ、つい先月に神田の古書店で見つけて手に取ったんだけど、すんごい状態が悪いのに1000円もしたので買わなかったやつなんだよな。それが格安で手に入って非常に満足。神戸に来た甲斐があった。

続いて向かったのが、お待ちかねのちんき堂戸川昌士さんの店だ。

目印はこの看板。ご著書では何度も写真で見ているけど、やっと実物を目にすることができて感激だ。湯村画伯によるTバックおじさんのイラストがたまらない。

古本屋に入って緊張するなんてことは普通ないんだけど、さすがにこの店ばかりはそうもいかない。だってドア開けて入るとすぐそこに戸川さんがいるんだもんな。一人で来てたら話しかけられたかどうかすら怪しいところを、ヤスケンさんが紹介してくれたおかげですんなり会話に入っていけた。「猟盤日記」シリーズを読んで受けた印象では、やや偏屈な人なのかと思っていたけど、ぜんぜんそんなことなかったね。危うく忘れそうになったけど、持参した「蒐集原人1号」と「覆面音楽祭」を贈呈させていただいた。

もちろんこの店でも買い物をさせてもらうつもりで、商品をいろいろ見て回る。お洒落とエロと下品が雑多に混在する、大変に好もしい品揃え。せっかくだからそれなりにお金を使わせていただきたかったのに、どれも安いからあんまり売り上げに貢献できなかったかな。


左)このご時世にこんな本買うなんて叱られそうだ。
右)持っていなかったUMAもの。こういうのは欠かさず買う。


うひゃあ! パンチザウルス復刊1号が100円! 申し訳ないような値段だけど、こればっかりは遠慮しないで買わせていただく。

本当はもっともっとお話ししていたいけど、商売のお邪魔になってもいけないので、適当なところで辞去させていただく。いつかまたきっと再訪しよう。そのときはもっとたくさん買い物するんだ。

次に向かったのは、元町商店街の中にある古書波止場というところ。一回は普通の新刊書店なんだけど、その二階にはあちこちの古書店が間借りして古書コーナーが出来ているのだ。こういう、事前のリサーチから漏れていた店を教えてもらえるのは本当にありがたい。ただ、肝心の商品は委託販売みたいなものだから、神戸にしてはやや高めかな。

それでも、一冊だけ買った。


牛久大仏がどのようにして設計し、作られたのかを豊富な図版で解説した本だ。これさえあれば、おれにも超高層大仏が作れてしまうんだぜー!
……(さらに、その5へ続く)