逃げろ、リスくん!

まあ、なにしろ大変な本である。

これは、まごうことなきビジネス書だ。ビジネス書というのは、極端なタイトルを付けて人心を煽るものだ。ときには、タイトルがまったく本の内容と関係ない場合もある。たとえ関係なくても、人の目を惹いてしまえばいい。おもしろそうだ、役に立ちそうだ、給料上がりそうだ、……そう思わせて買わせてしまえばいい。その結果、読者がどうなろうと知ったこっちゃない。とにかく注目を浴びて、売ってしまったもんが勝ち! というルールで出来ている。我々の知っている出版界とは、ちょっと常識が違う。モラルも違う。そういうもんなのだ。

だが、しかし。それにしたってこいつはどうだ。どういうことなんだ?

いねーよ、リスなんて!

いったいどこの国のビジネスを教えてくれるつもりなのか。捕って売るほどリスが普通にウロチョロしている国なんてあんのか。アメリカ人はちょっと前までリス食ってたらしいね。うまいんだって。イギリスでも近年はリス料理の人気が高まっているらしいと言うし、野蛮だなあ。あいつらに「鯨食うな」とか言われたくないなあ。

この本は高田馬場ブックオフで買った。もちろん105円コーナー。黄色地のカバーに赤いタイトル文字。なんと下品なデザインだろうか。だが、棚に並ぶこの書名の背文字を見た瞬間、おれは吸い寄せられるように手に取った。

「これはお前が買うべき本だぞ〜」と、誰かに囁かれているような気がした。

アマゾンでも売ってるからみんなも買おう!(定価で!)