拙著『人喰い映画祭【満腹版】』を作ったときに、心残りがいくつかあった。本の中でぜひ採り上げておきたいのに、ビデオが手に入らなくて見られない映画があることだ。そりゃ、過去に作られてきたすべての映画を見ることなんかできるわけがない。でも、人が喰われる映画の大全集的な本を作るなら、アレとかコレとか載ってなかったらマズイでしょ? というものはある。
人喰い映画祭 【満腹版】 ~腹八分目じゃ物足りない人のためのモンスター映画ガイド~
- 作者: とみさわ昭仁
- 出版社/メーカー: 辰巳出版
- 発売日: 2010/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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実際に見てみるとそうたいした映画じゃないのかもしれないが、見たうえで掲載しないのと、見れないから掲載できないのでは意味が違う。それでジタバタしてたんだけど、いつまでもこだわってると永遠に本が出ないのであきらめた。そのうち『スウォーム』のことは忘れてしまった。
昨日、ツイッターのタイムラインをながめていたら、「代官山の蔦屋書店ではDVDにされてない映画や絶版作品をDVD-Rにプレスしてパッケージ商品にしてくれる」というつぶやきがあった。それを見たときはまだ『スウォーム』のことは思い出してない。『マイク・ザ・ウィザード』とかあったらいいなあ、ぐらいに思っていた。でも『マイク〜』は権利が散逸していてソフト化できない作品だから、たぶん蔦屋にもないだろうなあとは思った。
これはあとで知ったことだけど、この代官山蔦屋のパッケージ化販売は、ネット上からオンデマンドで購入ができるのね。そりゃそうだ。これが正しい形だ。
で、サイトを見ればどんな作品がラインナップされているのか簡単にわかるんだけど、昨日の時点ではそこまで考えが至らなかった。というよりか、おれはこういうおもしろそうなものがあるとすぐ現場に行っちゃうんだな。なので、昨日はさっそく代官山に出掛けてきた。慣れない土地。通行人がみんなお金持ちに見える。ウインドーショッピングっつーんですか? みんな歩く速度が遅い。
代官山の蔦屋書店は、おれの知ってる「本屋さん」とは別物だったな。素敵なインテリアになりそうな本、しあわせな家庭を演出してくれそうな本、シャレオツな洋書、そういうものばっかり。店内商品の検索端末はぜんぶiPad。ペットを入れるケージとか無料貸し出ししてる。どういうお客さんがターゲットなのか目に浮かぶ。というか、実際、おれの周りはそんなお客さんばっかり。
ルサンチマンを1階に残して、おれはDVDコーナーのある2階へ向かった。そこで、ブ厚いファイルに綴じ込まれた(iPadじゃねえのかよ!)ラインナップを見ていたら、『スウォーム』があるのを発見したわけだ。お値段3,990円(税込み)を支払って、待つこと40分。出来ました!
ありがとう蔦屋書店! バンザイ代官山、いい街!