両手をかるく曲げて外側へひろげ、斉藤清六みたいに内股でのったかのったか走るのをいわゆる「女走り」というが、こちらは「男ランニング」である。どんなランニングなんだ。しかも「30代から始める」なんて書いてあったりするもんだから、なんというか、中年の男どもがフンドシ一丁で頭から水をかぶり、神社の境内でひしめき合っている、まるで蘇民祭のようなスポーツかと、必要以上に誤解してみたくなる。
- 作者: 牧野仁
- 出版社/メーカー: スタジオタッククリエイティブ
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 単行本
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本書は全五章に分かれ、ウォーキングからストレッチ、エクササイズ、食事戦略、トレーニングなどについて解説している。これも非常に残念だ。
なぜか?
せっかく本のタイトルが「男ランニング」という野次馬の興味を惹きつけるものになってるんだから、どうせなら各章の見出しも「男ウォーキングから始めよう!」とか「パートナーと手を取り合って男ストレッチ」とか「男エクササイズで汗をふり絞れ!」とか、そういうホモホモしいものにしてほしかったと思うのだ。
いやあ、そんなにおもしろいわけでもない本を、タイトルからの着想だけで無理矢理おもしろがろうとするのは、なかなか骨が折れるもんだよねえ。