快適、札幌ブックオフ仕入れツアー その1

唐突に「札幌へ行こう!」と思った。北海道へ行くのは15年ぶりだ。

札幌は古本屋が多い町なのは知っていたが、ふと思いついて調べてみたら、ブックオフもたくさんある。古本屋めぐりは趣味としては大好きだけど、自分で古本屋を開業するとなると、普通の古本屋では販売価格が高くて仕入れにならない。その点、ブックオフの105円コーナーはクズ本も多いけど、ときに激レアな古本が(単に古いというだけの理由で)105円で叩き売りされていたりするからたまらない。ブックオフは、いまや古本屋にとっての貴重な猟場でもあるのだ。

調べてみると、札幌にはブックオフが全部で21店舗あった。これを全部まわってみようと思った。

最初は、札幌だけでなく旭川まで車で2時間半ほどかけて移動しようと思っていた。旭川にはブックオフが3店舗ある。そのうちのひとつ「旭川永山支店」が日本最北端のブックオフらしいので、それを踏破しようと考えたのだ。

ところが、よくよく調べてみたら旭川永山支店よりも、網走支店の方が北にあった。住所から緯度を算出してくれるサイトへ行き、旭川店の住所を入力してみると43度45分37.908秒となる。続いて網走支店の住所を入れてみると、43度59分51.194秒だった。その差は約14分。緯度は1分あたり約1.85kmなので、網走支店の方が26km程北にあるということになる。

札幌を拠点にして網走まで足を延ばそうとすると、結構な時間を要する。電車では無理。車なら尚更だ。旅の行程を1日増やさなくてはどうにもならない。でも、そこまでヒマじゃないんだよね。なので、日本最北端のブックオフを踏破する、という野望はまた次の機会に譲ることにして、今回は「札幌市内のブックオフ21店舗を全制覇する」というのを主目的に据えることにした。旅は目的があったほうが楽しい。

9月26日、16:35成田空港発のエアアジア便で北海道へ向かった。

古本屋なんてどうしたって利ざやの小さい商売だから、JALなんか使っていたら儲けもへったくれもあったもんじゃない。でも、LCC(格安航空会社)のおかげでなんとかなるのだ。なにしろ成田〜新千歳の往復航空券が14000円弱だかんね。これならホテル代と現地でのレンタカー代を足してもなんとか黒字にもっていけそうだ。

当初は、マイカーをフェリーで苫小牧まで運んで、それを足にして札幌を走り回るつもりだったんだが、フェリーの運賃ってクルマ載せるとすげえ高いのな! 片道で28000円とかするんだよ! 時間の短さと運賃は比例すると思ってたから、あんな10時間も波に揺られてドンブラコの旅は5000円ぐらいで行けんのかと思ってた(ザ・世間知らず)。

で、結局、LCCにしたわけだ。墜ちたらむごたらしく死なねばならない飛行機は大の苦手なおれだけど、こればっかりは仕方ない。ま、こないだマレーシアに行ったときは同じエアアジアの窮屈エコノミーに7時間近く乗せられたたわけで、それを思えば新千歳までの2時間なんて、離陸の恐怖で気絶している間に着いてしまうだろう。

はっ!

着いた。

その2へ続く)