快適、札幌ブックオフ仕入れツアー その2

札幌に着いたその日は、地元の友達と極旨ジンギスカンをたらふく食べ、生ビール飲み〜の、ワイン1本空け〜の、焼き鳥屋にも行ったりなんかして解散。で、明けた翌朝から本格的に札幌ブックオフ仕入れツアーのスタートだ。

まずはレンタカー。これも事前にホテルそばの支店に予約を入れてあって、マイカーと同じトヨタVitzを借りるはず……だったんだけど、ちょっとした手違いでAQUAに変更となった。ハイブリッドカーは初めて乗ったが、その燃費のよさに驚いたね。この日から約2日半乗り回したわけだけど、ガソリンメーターが2メモリしか減らなかった。これがエコカーってやつか。

クルマの話はどうでもいいか。札幌市内にはブックオフが21軒ある。これを2日半で回らなければならない。単純計算すると、1日あたり7軒回ればなんとかなる。ただ、北海道は広いので、札幌市内とは言っても端から端までは相当な距離がある。都内で7軒回るのとはスケール感が違うはず。しかし、信号だらけの都内の道とは違って、札幌も市街をはずれれば、かなり快走できるだろう。そこでいかに時間を短縮できるか、だ。


▲ことさらクルマ好きというわけではないおれでも、この道の広さにはドライバー汁が出る。

てなわけで、あらかじめ作成しておいたルートマップに従ってクルマを走らせ、峠攻めならぬ、ブックオフ攻めをこなしていく。1軒目「あいの里店」で4冊購入、2軒目「札幌屯田店」で6冊購入、3軒目「札幌前田店」で4冊購入、4軒目「札幌宮の沢店」で13冊購入……というように、順調に買い進んでいった。

北海道のブックオフにもちゃんと素人セドリ屋さんはやって来ていて、小型バーコードリーダーでコソコソと書籍データを読み取っては、アマゾンのマーケットプレイス価格を調べたりなんかしている。立ち読み客とは違った意味で本棚の前に長居する彼らはヒジョーに邪魔なんだけど、ま、おれだって普通の客じゃないから文句を言える立場じゃない。それに、彼らの猟場はビジネス書がメインなので、サブカルメインで発掘しているおれとはあんまり競合しないんだ。

さらに言えば、おれは本職の端くれに置かせてもらった身だから、自分の目利きこそが勝負となる。そんな機械なんぞに頼ってセドリをするようなみっともない真似はできない。背表紙を見ただけで、“いい本”の匂いを嗅ぎ分けられなければならないのだ。長年の古本集めで培った勘でね。

まわりの視線を気にしながらマケプレ相場の高い本を必死に探しているシロートさんを尻目に、背表紙だけ流し見しながらズバズバと本を抜いてはカゴに放り込んでいく謎の男。シロートさんは「え? 何? 何?」って顔をする。謎の男が提げているカゴを覗くと、中には自分らのマーケットでは見かけない、なんだかよくわからない本ばかり入っている。「このひと、何なの?」

それがおれだ!

その3へ続く)