快適、札幌ブックオフ仕入れツアー その5

そして夜が明けて28日。この日は札幌駅の南側にあるブックオフを攻めていく予定だ。

ブックオフが開店するのは朝10時。正確に時間を調べたわけではないが、だいたいホテルを9時に出れば、最初のブックオフが開店するタイミングで到着できるだろう。東京都内では道路の混雑状況が読みにくい。予期せぬ渋滞や事故や工事があったりして、思いのほか時間がかかってしまう。カーナビに目的地をセットしても、算出された「到着予想時間」の通りに着くことなんか滅多にない。

でも、平日の札幌は素晴らしい。カーナビの到着予想時間がホントに正確で、10時着の予定でスタートしたのに、それより10分も早く10軒目の「伏古店」に到着してしまった。意味はないけど10×10×10だ。とにかく効率重視の今回の旅において、この正確さはありがたい。ますます札幌が好きになる。

開店と同時に入店し、本を3冊購入した。ま、特筆すべき収穫はない。自分のコレクションのためだったらそれじゃダメなんだが、商売だからいいのだ。自分が発見してテンションの上がる本と、店に並べておきたい本は必ずしもイコールではないからね。店の商品構成としては、激レア本ばかりでもよくない。そこそこの本がひと通り並んでいて、その中に時折『私の父は食人種』とか、『牛づくり八十年』とか、『リスを捕って売れ!』みたいな珍本が混じっているから、棚全体が輝くってものだ。

というわけで、古本の収穫はなかったわけだが、その後、道路をはさんでお向かいに建っているハードオフの方も期待せずにのぞいてみたら……こんなものを発見した。レンタル落ちの『ブレインデッド』VHS版だ。

いまや『ロード・オブ・ザ・リング』三部作などですっかり大メジャー監督となったピーター・ジャクソンが、若き日に撮っていたドロドロ、グチャグチャのスプラッター。お値段たったの42円。ジャンク扱いなので105円ですらない。もしかしてテープ切れてるんじゃないかと思ったけど、大丈夫っぽい。こういう発見があるからブックオフめぐりはやめられないんだよなー。

さて、そこからまた更にクルマを走らせる。

カーナビがあるから紙の地図なんかなくてもいいんだけど、いちおう札幌市内のブックオフをすべて書き込んだ地図を用意しておいた。1軒通過するたびに、これを蛍光マーカーでチェックしていく。意味はないんだけど楽しい。バカみたいな旅ではあるけれど、それを最大限に楽しむためには、こういうことが大事なんだよな。

続いて11軒目「札幌菊水元町店」に到着。ここでは6冊購入した。12軒目「札幌山鼻店」で6冊購入。13軒目「札幌中の島店」で4冊購入。 14軒目「BOOKOFF PLUS 札幌川沿」で4冊購入。このBOOKOFF PLUSってのは複合店舗のことで、古本の他に、衣服や日用雑貨のリサイクル部門も含まれていたりする営業スタイルだ。東京だと渋谷のセンター街にあるのがやはりこのPLUS店だね。

先を急ごう。15軒目「札幌西岡店」で6冊購入。16軒目「月寒東店」で5冊購入。はあ、はあ、はあ……。17軒目「札幌川下店」で2冊購入。そして18軒目の「札幌南2条店」で7冊購入したところで日没となり、この日の行程を終了させた。本日も9軒まわって本を43冊に、ビデオを1本購入した。昨日と併せると本だけで91冊だ。

これらの本の山を、すでに書いたようにホテル近くの宅配便窓口から神保町の店へ送ってしまうわけだ。そして、またクルマをパーキングへ入れ、ホテルに帰ってシャワーを浴び、ふたたび夜の町へ繰り出すのだった。

その6へ続く)