第1湯目「梅の湯/千代田区2番」

エアコレクションの一環として、「東京銭湯ぶらり湯めぐり」なんてことを始めちゃったのである。いつもは「半顔」とか「長い灰」とかテキトーな名前を付けるのだけど、これに関してはそういう名前と決まっているのだ。なぜなら、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合という、ようするに銭湯の組合が「東京銭湯ぶらり湯めぐりマップ」なるものを発売しているからだ。

このマップをいつもカバンの中に忍ばせておき、一日の仕事を終えたあと、適当によさげな銭湯を選んで湯につかりに行く。あるいは、飲み会なんかがあるときは店の近くの銭湯を調べておいて、約束より30分ほど早めに事務所を出る。んで、軽くひとっ風呂浴びてから冷え冷えの酎ハイを飲むわけだ。これが最高。

しかも! このマップには、恐ろしいことに「お遍路巡礼スタンプノート」なるものまで付いていて……っていうのは昨日のエントリーにも書いたっけ。ま、おさらいとして繰り返し書きますが、いろんな銭湯に行くたび、このノートにスタンプを捺してもらい、26浴場を達成すれば「認定証」が。88浴場を達成すれば「銭湯お遍路達成」の認定証と記念の銭湯バッジがもらえるのだ。

ぶらり湯めぐりマップとお遍路スタンプノート入手方法

組合のサイトには、26浴場達成者、88浴場達成者、176、264、352……と88の倍数で最終的に880浴場達成者までのリストが掲載されている。なんだか知らないけど、どえらいことになってるんだなー。880浴場の達成者は現在7人いる。組合加盟の銭湯は入浴料が基本450円だから、880っ風呂に入ったということは、単純計算で39万6千円を風呂に費やしたことになるよ。でも、ソープだったら10回しか行けないのに、銭湯なら880回も気持ちよくなれるなんてすごい!

ともかく、自分はとりあえずの目標として、わかりやすいご褒美のある「88浴場」を目指すことにした。そして、その第1湯目に選んだのは、マニタ書房の近くにある「梅の湯」だ。タオルと石鹸をひとつ持ってトツゲキ〜。近いってのはいいね。

ここは電気風呂があるのがうれしい。おれ、腰痛持ちだからさ。ケツに電気をあてるとピリピリして気持ちがいいんだ。頸椎ヘルニアでもあるから、ホントは首筋にも電気をあてたいんだけど、そのためには潜んなきゃいけない。子供じゃあるまいし、大のオトナが銭湯で潜ってたら心配されちゃうよな。

じつは若い頃はとても風呂が嫌いで、入ってもカラスの行水だった。何がイヤだったのかというと、お湯が熱いから。食べるものはどんなに熱くても平気だけど、身体の外側は熱いのダメなんだ。ところが、30歳を越えたあたりから、熱い風呂が好きになってきた。温泉とか好んで行くようになったのもその頃だったかな。銭湯で子供がお湯をうめようとするのを湯船のジジイが一括する、なんて話をよく耳にしたけど、自分がそういう立場になりつつあるのを感じる。歳をとるっていうのはこういうことか、と思ったね。

それでここにきて、とうとう銭湯めぐりなんかするようになったわけだから、世の中おもしろい。とはいえ、相変わらず長風呂をしようとは思わないので、わりとあっさりめで湯から出てしまう。450円も払って20分ぐらいで出ちゃうのはもったいない気もしないでもないが、いまはそれでもいーんだ。湯めぐりをするうち、だんだん長っ風呂になっていくのかもね。