第5湯目「金町湯/葛飾区32番」

金町の「金町湯」にやってきた。名前そのまんまだ。

しかしあれだね、銭湯の名前ってのもいろいろあっておもしろいね。金町湯みたいに地名そのままのもあれば、「福」「鶴」「寿」「観音」+「乃湯」なんておめでた系の言葉をくっつけたものも多い。なかには「ゆ〜ザ中井」なんて売れない漫才師みたいなところもあれば、「ニコニコ湯」なんてひろゆきチックなところもある。ま、名前はどうであれ、地元の人間は名前なんか関係なく家から近いところへ行くんだろうけど。

大漁旗っぽいデザインの暖簾がうれしい気分にさせてくれる。こいつをくぐって450円払い、脱衣所で裸になる。ケロリンの桶とイスをとって身体を洗う。最初は股間を洗うだけ、って人も多いと思うけど、おれはスピード入浴の男なので、最初に全身洗っちゃう。そんでデカイ浴槽をひと通り楽しんだら、今度は頭を洗う。もちろん石鹸で。

ここはサウナも無料なのね。タダなら……とちょっと覗いてみるが、すぐに出てきちゃう。サウナあんまり好きじゃないんだ。やっぱ腰痛のおれにはジェットがいちばん。勢いよく吹き出す水流を骨盤にあてると、身をよじりたくなるほどキモチイイ。

自分はタオルを浴槽に入れるようなマナー違反はしないけど、洗い場から浴槽まではタオルで股間を隠していく。で、湯船に身を沈めるときにタオルは浴槽の縁に丸めておく。これがいつものパターン。ところが、この日、湯から出るときにパッとタオルをつかんだら乾いていて、「あれ?」っと思った。よく見たら、他のおじさんのタオルだったのね。同じ白いタオルだし、眼鏡をはずしてるからよく見えなかったんだよ。今度からわかりやすいように目立つ柄物にしようかなー。

おれ、自宅では眼鏡したまま風呂に入るんだけど、温泉や銭湯では眼鏡を外すのね。なんでかっていうと、公衆浴場で眼鏡したまま湯につかって洗い場の方を向いてると、なんか他のお客さんのポコチン観察してるみたいじゃん。じっくり見てまーす、みたいな。誰もそんなこと思わないかもしれないけど、なんかそういう強迫観念があるんだ。我ながらめんどくさい性格でございます。

さて、風呂あがりのお酒。この日は、金町湯から徒歩2分のところにあるもつ焼きの名店「ブウちゃん」で、うまいもつ焼きとハイボールで極楽気分を味わった。ここは味もいいけど、常連さんたちに混じって土地の雰囲気を楽しみながら飲むのがいいところなんだな。5年ぐらい前に初めて来たときはピンとこなかったけど、今回、若者相手にはしゃいでるおじさん(41歳)を見ていて、なんとなくこの店の居心地のよさがわかった。また来よう。