第6湯目「ニコニコ湯/足立区9番」

前回、変な名前の銭湯の例として、『湯めぐりマップ』に掲載されている銭湯の中から「ニコニコ湯」を選び出して文章に書き加えたわけだけど、なんだかキーボードで“N・I・K・O・N・I・K・O・Y・U”って入力してるうちに、ものすごく入浴したくなってしまった! そこで仕事を早めに切り上げ、神保町から北千住へ向かう。酒を飲むためなら何度も来ている町だけど、まさか風呂にはいるために来ることになるとはね。

北千住駅の西口に出たら、駅前の大通りをずんずん進む。今日はブックオフも素通りだぜ。少しすると国道4号にブチ当たるので、それを渡って路地に入る。くねくねと蛇行した道を5分ほど進む。道は暗いけど、通行人がぽつぽつ行き交うので、地元では便利に利用されている道なんだろうな。で、10分ほどして到着。

ニコニコ湯です。いいーツラ構えしてやがる。

浴槽は、「森林浴風呂」、「うきうきぶろ」、「ドリームバス」、「エステバス」と4つあった。「森林浴」はようするに薬湯みたいなもんだけど、あとの3つはどれもジェット系だったな。「うきうきぶろ」は湯船の底から吹き出ている泡が身体を浮き上がらせてきて、自分のポコチンが潜望鏡みたいになる。「ドリームバス」は強めの水流が背中と腰を刺激してくれる。「エステバス」はなんとなく水流が全身にまとわりついてたな。お肌にいいんだろうか? 「レポマンの人生は緊張だ!」……それはエミリオ・エステベス。関係なかったね。

来るときのくねくね道を湯上がりの身体で引き返す。この日の湯上がり酒はいつもの「天七」にしようかと思ってたけど、ちょっと遅くなって時計はもう9時半。すでにラストオーダーの時間だ。それで、ひょっとして……と「大はし」を検索してみたらそっちはラストオーダーが10時で閉店は11時。これだ! と宿場通りを左折して入店。いつも満席のこの店が、運良く厨房寄りのカウンター席にひとり分だけ空きがあった。

ここへ来たら注文するのは当然のことながら「肉とうふ」。

あーうまい。あーうまい。

ふと、隣りの席のあんちゃんを見たら、肉とうふの皿が6枚も重なってるよ。食ったねー。何をどんだけ注文してもひとの勝手だけど、わんこそばじゃないんだから。肉とうふばっかりそんなに食ったら、塩分と脂肪分の摂り過ぎだと思うよ。

と言いつつ、自分も1枚じゃ物足りないので、3杯目の焼酎と一緒に2皿目の肉とうふも注文してラストオーダーに。