第11湯目「バン・ドゥーシュ/千代田区1番」

数日前、文藝春秋の目崎さんと新宿御苑のバー「浮かぶ」で飲もう! ってことになったので、いつものようにそこから逆算して銭湯を探した。前に、銭湯→浮かぶのコースを設定したときは四谷三丁目の「蓬莱湯」に行ったんだっけな。ここは浮かぶまで歩いていける距離でとてもよかった。

だが、同じ風呂に入るわけにはいかないのだ。おれは、ただ身体の汚れを落とすために風呂に入っているのではない。ただ体温を上げてビールを美味くするためだけに銭湯通いをしているわけではない。88箇所の異なる銭湯でスタンプを捺してもらい、「銭湯お遍路達成バッジ」を手に入れるのが目的なのだ!

そんでいろいろ調べてみましてね、半蔵門駅すぐ近くの「バン・ドゥーシュ」という銭湯に決めました。

え? いま、なんつった? バン・ドゥーシュ? 何語?


Yahoo! 知恵袋『バン・ドゥーシュ』 とは、どんな意味でしょうか? 何語なんでしょうか?

ここはね、場所柄のせいか皇居ランナー御用達の銭湯らしいんだな。実際、脱衣所で着替えをしてたら、次から次へとランニングスタイルの人たちが汗を流しに来ていたよ。しかし、この銭湯はとても狭い。浴槽なんて、才野茂満賀道雄が上京して最初に下宿した二畳間ぐらいしかない。だから一度に5人も入ったらギューギューだ。でも、ランナーの皆さんは長っ風呂じゃなくて、軽く暖まったらサッと出ていかれるので、混雑はしなかった。マナーいいんだなあ。

あとビックリしたのは、番台のおばちゃんが魚肉ソーセージをくれたこと! どんなサービスなんだ。じっと見てたらポークビッツもらってる人やフランクフルトもらってる人もいたなー(冗談ですよ)。壁に貼ってあったチラシを見たら、ときどきこういうサービスをやっているらしく、缶ジュースくれたりする日もあるみたい。おもしろい銭湯だー。

ほどよく暖まったところで、魚肉ソーセージぶらぶらさせながら新宿御苑前の「浮かぶ」へ。この日のおつまみはママの自慢料理のひとつ「ポークパイ」。これが食べたかったんよ。うまい酒とうまい肴で話は弾む。目崎さんは、おれがいま愛読してる「水道橋博士のメルマ旬報」の執筆者でもあるけど、さらに同じく執筆者の碇本学さんも現れて、いっそうたのしい出会いの夜になった。