沖縄本島ブックオフ支店全制覇ツアー その4

ここでまた一旦ホテルに戻って、少しだけ仕事をする。そうして日が暮れたらふたたびお出掛けだ。牧志にある桜坂劇場という映画館で、園子温監督の『希望の国』を見るのだ。おれはわかりやすく奇人ぶろうとして「ブックオフのためだけに沖縄まで来た!」とか言ってるけど、まあ実際にはいろいろ予定を入れてあるわけ。いくら激安航空券といっても、せっかくここまで来たからには、いろいろ体験しておかないとね。

希望の国』は東日本大震災と、その後に起こった原発事故による避難命令で引き裂かれた“家族”の物語だ。そして、何度かあちこちで書いてきたように、富沢家は両親ともに実家がモロに避難命令の出た福島第一原発の20キロ圏内にある。当然、そこで暮らしていた親戚一同は、必要最小限の生活用品しか持ち出すことを許されず、強制的に避難させられてしまった。だから、この映画で描かれていることは、まるで他人事ではないのだ。

そして、他人事でないからこそ、この映画はあえて福島からもっとも離れた場所で見てみよう、と思っていた。それが沖縄だった。もちろん、沖縄のひとたちが福島のことに無関心だ、などと言うつもりはない。ただ単に、遠く離れた土地(劇中の台詞で言うなら「ものすごく遠ーく」)からは、あの出来事がどのように見えるのか、それを確認したかったのだ。

で、実際見てみたわけだけど、結論としては「わかんなかった」だ。まあ、最初から予想できたことではある。どこで見たとしても、「自分」対「映画」の関係が変わるはずもない。そして、おれのそんな無意味な行動とは関係なしに、映画の出来はたいへんに素晴らしいものだった。最後の慟哭が胸に突き刺さる。

さて、映画館を出たところで時刻は夜11時過ぎ。東京にいるつもりで夜遊びしてると、ゆいレールの終電を逃しちゃったりするかもしれないので、とりあえず美栄橋へ向かう。ちょうど駅とホテルの中間ぐらいのところに、「ハイウェイ食堂」というイカシた名前の24時間営業レストランがあるのだ。ここで、ビールセットを注文する。

オリオンの生ビールに、マグロの刺身、枝豆、チャップステーキがセットになって900円。これは安い! 沖縄ってこういうセットが多いなー。とてもいいことだと思う。

さらに追加で泡盛を一合だけ頼んでみたら、こんな感じのセットで出てきて、俄然、盛り上がる。

これはあとで実感するんだけど、沖縄ではどこの店でもだいたい泡盛を頼むとこういう水割りセットが出てくるみたいね。酒飲みの気持ちをよくわかってくれている、たいへん優秀な土地だと思いまっす。

さーて、明日もまたブックオフをまわるが、その他にもちょっと変わったところへ行く。

その5へ続く)