沖縄本島ブックオフ支店全制覇ツアー その9

さて、2月28日になった。最終日である。

荷物をカートに詰め、ホテルをチェックアウトする。今回、片道3,900円という破格の航空運賃で沖縄へやって来たわけだが、宿泊代もそれに負けていない。とあるビジネスホテルの「1日3室限定・格安素泊まりプラン」ってのを利用して、1泊2,900円。つまり3連泊してもたったの8,700円なのだ。安いわー。

移動と宿にお金をかけないぶん、古本はガシガシ買うし、食事は欲望のままにお金を使う。それがマニタ書房の仕入れ旅だ。そんなわけで、最終日の朝ごはんはタコスを食べることにした。ネットで調べると「キングタコス」という店が人気のようだったが、そこはクルマがないとちょっと行けない場所だった。仕方ないので歩いていけるところを探したら、牧志市場のさらに奥まったところに「赤とんぼ」という店があるのを発見。

クレープスタンドみたいに小さな店だけど、十分おいしい。店先のテーブルでもしゃもしゃ食べてたら、店のお姉さんが麦茶をくれたよ。麦茶をくれる人はいい人だ。タコスひとつじゃ全然物足りないけど、今日は夕方の飛行機の時間まであちこち徘徊していろんなものを食べようと思ってるので、これでいいのだ。

ふたたび市場の近くまで戻って、土産物屋を冷やかす。そのうち、東京ではちょっと見ない柄のアロハをたくさん売ってる店を発見したので、ドバドバドバッと10着ほど購入する。マニタ書房であつかってるアロハは基本的に古着を仕入れてるんだけど、これは新品。でも、多少の利益を乗せても全然安く店に並べられるような値段だったんだ。

で、これらの荷物を市場のそばにあったクロネコヤマトからまた発送してしまう。荷物が増えたり、身軽になったり、いろいろと忙しい旅ではある。

ともかく、ひと仕事したらまた腹が減ってきた。まだ日は高いけど(この時点で午後1時)、そろそろビールが飲みたいね。……と考えているうちに、まだ沖縄に来てからゴーヤーちゃんぷるを食べてなかったことに気がついた。多分、どこで食ってもうまいに決まってる。だったら、味よりシチュエーションを重視したい。で、まるで土地勘のないくせに、酔っぱらいの勘だけを頼りに、路地裏をさまよい歩いていく。ゴーヤー求めてこんな道を。

そして見つけた最高の佇まい。

よく見たら、ここも花笠食堂で、2号店と書いてあった。このすぐ近所に1号店があったので、前日に牧志のアーケードで見つけたのは3号店なのかもしれない。こんないい店がいっぱいあって沖縄の人がうらやましいな。

こちらの花笠食堂には酔っぱらい向けのメニューはなくて、基本は定食屋のようだったが、尋ねてみたらゴーヤーちゃんぷるは単品でも作ってくれるとのこと。そりゃありがたいことだと、瓶ビールとともに注文する。そして出てきたのがこれだ。

どうですか、この最高すぎる色味。もちろん見た目だけじゃなくて味もばっちり。うますぎる! このうまさの秘密はなんだろうか。苦瓜と豆腐と玉子はとくに変わったものではなさそう。じゃあ豚肉が違うのか? と眼を凝らしてみれば、それは豚のコマ切れ肉ではなくて、ミンチの固形物に見える。ここは沖縄だから、もしかするとSPAMだろうか? それにジャガイモを5ミリ角に刻んだものも混ざっているようだ。

……てなことをツイートしたら、詳しい方が「それはコンビーフハッシュというのだ」と教えてくださった。ならば、お土産に買って帰ろう! ということで、国際通りの土産物屋を数軒調べてみたが売ってない。そうか、こういうものこそ市場だな、と狙いを定め、またまた牧志市場へ戻る。そしてあっけなく売られているのを発見し、勢いで1ダース買ってしまった。アホだ。

そんなこんなで市場をうろついているうちに、気になる表示を目にした。この市場には二階があって、そこで飲めるらしいのだ。

その10へ続く)