沖縄本島ブックオフ支店全制覇ツアー その10

牧志市場の一階には、近海で捕れたのであろう魚介類や、土地の野菜が売られている。さばいた豚肉の他に、でかい豚足、豚の顔までがゴロゴロと並べられているのは、いかにも沖縄らしい光景だ。で、どれでも可能ってことはないかもしれないが、ものによってはここで買った物を二階へ持っていくと、その場で調理して食べさせてくれるらしい。

これは酔っぱらい仲間で来たらすんごく楽しいだろうなー。しかし、さすがにひとりでそれをするのは抵抗がある。というか食べきれない。でも、市場の二階がお食事処になってるというのは、とても魅力的だ! ……というわけで、ひとり二階に上がり、島豆腐と泡盛なんぞをいただいた。

ぼえ〜。何この居心地のよさは。最高すぎる……。今度、沖縄に来たときは、あちこちうろつくこともなく、もう最初っからここにいればいいんじゃないか。あ、でも夜はやってないのかな。市場だもんねえ*1

市場の二階で泡盛をなめつつ、商売のことをボンヤリ考える。沖縄で見つけたアロハは、普通に買っても十分利益が出せるくらい安い。これをメーカー調べて直接卸してもらえば、今回買った値段のさらに7掛けぐらいで仕入れられるだろう。古本は、ブクオフを制覇したからもういいとして、アロハだけでも20着ほど仕入れれば、AirAsia使って沖縄に来ても余裕で黒字に出来るじゃん。なーんてねえ……。

泡盛一合といっても水割りで飲むからあんまり酔わない。ならば、もう少し街を探検してみるかと席を立つ。牧志市場からすぐに国際通りには出ないで、しばらく裏通りをぶらついてみる。すると、魚屋の店先にまたまた目を引く案内が掛かっていた。

「昼間っから飲もっ!!」

鈴木保奈美の声で再生されたね。いやまあ誰でもいいんだけど、こんなこと言われたら飲まないわけにいかないよな。つーかここまでにけっこう飲んでるんだけどね。

魚屋さんの店先で、
目の前でさばいてもらった魚を肴に、
南の島の日陰の風を身体に受けながら、
キリッと冷えた酒を飲む。

東京でも旅先でも、ことあるごとにうまい酒を飲むシチュエーションを探求してきたオレだけど、これは過去最高なのではないか。そしてこれを、誰かからのアドバイスではなく、まったく偶然に自力で見つけたというのがうれしい。最高の“おれの旅”になった。

節子鮮魚店にて。店名もいいじゃないか。節子、それ日本酒と違う! 白ワインや! 泡盛はちょっと飽きたし、日本酒も重たい気がしたので白ワインにしてみたんだー。刺身に白ワイン、いいよねー。

そして、すっかりいい気持ちになったところで国際通りに出てきた。じつは朝、国際通りで「街角の似顔絵描き」を見かけてたのね。でも、描いてもらうにはまだ自分のテンションが低かったから(こう見えても小心者なので、ある程度テンションを上げなければ、衆人環境の中で似顔絵を描いてもらうなんて出来ない!)、数件飲み歩いて、いい加減気が大きくなったところで描いてもらおうと思ってたの。で、ようやくその準備が整ったから、いざ似顔絵! と絵描きさんが座ってたところへ行ってみると、もうどこかへ行っちゃってた。残念だけど、ま、これは縁がなかったってことだね。

このあと、若狭周辺の古本屋を数軒まわった。すでに閉店してしまった店も多いけど、ちはや書房と言事堂は健在で、どちらもじつにいい店だった。いい本にはちゃんとそれなりの値がついていたので、うちの仕入れにはならないけど、古本屋好きならいつかは行ってみるといいよ。

こうして散々歩き回って、さすがにもう動くのヤんなっちゃったから、ちょっと時間が早いけど空港へ行く。そんでチェックインの時間まで空港内のレストランで最後の憩いを楽しむのだ。

空港にまで酔っぱらいセットがあるとは、沖縄おそるべし……。

(沖縄ツアー、おわり)

*1:ツバメ食堂はラストオーダー8時で夜9時まで飲めることが判明