裸の次は下着か!

最初に『インナーテニス』という本のタイトルを知ったときは、てっきり“下着姿でテニスをする”のだと思った。

エロいなー、と半笑いしながら本を手にとってよく見れば、『インナーテニス』とは下着姿でもなんでもなくて、ヨガの考え方をテニスのレッスンに採り入れたものだった。つまりインナー(自己の内面)を鍛錬することで、テニスプレイの上達をはかろう、ということだ。

そんなマヌケな勘違いをしたのは、このあいだ紹介した『裸で覚えるゴルフ入門』の衝撃からまだ抜け出せていないのかもしれないし、あるいは、ついさっきまで「バスローブ柔道」のことを考えていたせいかもしれない。

だが、そもそもテニスというスポーツがエロいんだから仕方ない。なんたって女の子はミニスカだし、テニスはペニスに似てるし、玉には毛が生えてるし、ガットは牛の腸だし。

関係ない話はそれくらいにしておいて、と。

本書では“自己の内面”という切り口に絞って、テニスの上達法を説いている。それは各章の見出しにもよく表れている。

「奇跡のボール注視法」
「先入観をぶち壊せ」
「内側への意識の集中」
「真の自信の追求」
「勝つ意思のコントロール

という具合だ。ラケットの握り方とか、そういう技術的なことにはとくに触れられていない。

こうしたインナーテニスの解説が、実際にテニスをプレイするうえでどの程度の効果を持つのかは、あいにくテニスをやったことのない自分にはわからない。また、ヨガというのはメンタルの弱い人が深入りし過ぎるとおかしなことになったりする側面を持っているものだと思うが、そういうヤバい匂いも感じられない。逆に言えば珍本というほどのものでもない、ということでもある。

唯一、収穫だと思えたのは、本文に添えられているイラストが、すべておれの大好きな永美ハルオ画伯だったことだ。

ネットにはあんまり情報がないが、講談社ブルーバックスなんかでイラストを描いていたナスのような顔と弾力感のある人体が特徴的なあの絵。テニスというスポーツがイメージするハイソな雰囲気とはほど遠い絵柄が、この地味な表紙の本をとても味わい深いものにしてくれている。