予告の本棚 1/3

アスペクトより刊行した拙著『無限の本棚』が、3月6日にちくま文庫として発売されます。まだ元本を刊行してから2年しか経っていないということもあり、今回の文庫化にあたっては大量に書き下し原稿を加え、『無限の本棚〈増殖版〉』としました。

「同じ本で何度も商売しやがって!」というご意見もあるかと思います。でも、そこにはやむを得ない事情もあるのです。詳しいことは省略しますが、著者であるとみさわ昭仁は、元のアスペクト版『無限の本棚』に関して、いまだ一銭も原稿料をいただけていません(これで事情を察してください)。

元本はすでに版元との出版契約を解除したので、現在は絶版です(あるのは在庫のみ)。けれど、著者としては『無限の本棚』をこのまま終わりにはしたくなかったので、必死の思いで別の版元を探しました。その結果、ありがたいことに筑摩書房さんが受け入れてくれました。そして今回の文庫化が実現したというわけです。

増殖した原稿(通常は増補と呼ぶところですが『無限の本棚』にはこのほうが相応しいと考え〈増殖〉としました)について、今日から3日間にわたって紹介していきます。

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■増殖の1
第2章「コレクター人生」に、「映画のチラシ集めブーム」という項目を書き下しました。ぼくが中学生のとき、映画のチラシを集めるのが大流行したんですね。第一次チラシブームだと思います。その頃のエピソードを書きました。

第3章「コレクターという人種」では、すでに書いてあった「集めたくなる理由」という項目に、新たに「パスポートもどき」と「道の駅きっぷ」のことを書き加えました。なんじゃそれ? と思われるかもしれませんが、読んでみてのお楽しみということで。

第5章「ブックオフの愉しみ方」の最後には、コラムをひとつ追加しました。元本ではチラッとしか触れなかった「マイブック」コレクションについて、それが具体的にどんなコレクションなのかをちょっと踏み込んだ形で紹介しています。

そして最終章「無限の本棚」では、ぼくが手帳や情報活用にハマっていた時代のことを「情報蒐集狂時代」として、パソコンとの出会いを「スマホ前夜のコレクター」として、それぞれ書き下ろして加えました。

さらに巻末には、元本でも載せようと思っていながら頁数の都合で掲載をあきらめた「とみさわ蒐集年表」(ぼくがこれまで何を集めてきたのか、そのすべてをつまびらかにした年表)を掲載しています。

どうですか? これだけでも、あらためて読んでみたくなってきませんか? でも、増補(増補)原稿はこれだけじゃないのです。

明日に続く!