サタデーナイト怪謡曲

2020年06月13日

 ドーナツ盤が約90枚入ったバッグを肩から提げ、四谷までやってきた。朝からあいにくの雨で、傘をさしながらの移動はなかなかしんどい。アナログでDJをやってる以上、これは避けようがないことなので諦めているが、腰痛持ち&痛風持ち&非力な50代には苦行である。

 新型コロナウィルスの影響により、集客イベントができないライブハウスは、どこも苦境に立たされている。ぼくがお世話になっている四谷アウトブレイクも例外ではない。そもそも名前がマズイよね。アウトブレイクしちゃいかん。

 イベントができなければ、ライブハウスは収益を上げられない。それでも毎月の家賃や光熱費などの維持費はかかる。なんとかして利益を出さなければ、店は潰れてしまうだろう。いや、問題はお金だけじゃない。ただ自粛するだけで何も行動しなければ、アウトブレイクというライブハウスが、そしてその場所から生み出される音楽が、忘れられてしまうのだ。

 アウトブレイクのオーナーである佐藤学、通称:ブンちゃんは、無観客配信という形で、店にゆかりのあるミュージシャンたちのライブを配信してきた。ステージの演者と撮影のスタッフだけに人数を絞り、お客様を入れずにライブの様子をネット配信するのだ。お客様は、それを自宅のパソコンなどで視聴することができる。基本的には無料だが、オンラインを通じて投げ銭やカンパを送ることもできる。それを店の維持費の足しにしようというわけだ。

 で、ぼくも日頃お世話になっているアウトブレイクのために何かできないかと思って、DJプレイの無観客配信をさせてもらうことにしたわけだ。題して「とみさわ昭仁のサタデーナイト怪謡曲 音楽ジャンルの海を渡る3時間」。簡単に言うと、ぼくがこれまで集めてきた変な歌謡曲を、様々なジャンルに分類しながら次から次へとかけていくというスタイルだ。お酒の曲、方言まみれの曲、ヨーデル歌謡、宇宙歌謡、エリマキトカゲ歌謡など、16ジャンルを渡り歩いていく。

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着ているのはレコスケくんTシャツ

 無観客でDJをやるなんて虚しいだろうなあと思っていたが、そんな事前の予想を大きく裏切って、無観客DJは思いのほか楽しかった。だいたいどんなことでも楽しんでいまえる自分の性格ゆえ、である。

 当初は3時間で終える予定だったところを、かけたい曲がたくさん残っていたので、ブンちゃんにお願いして1時間延長。トータル4時間のノンストップDJをやってしまった。その様子はアーカイブとしてYouTubeに残っているので、興味のある方はぜひ見てほしい。