09 顔と名前と窓際本棚と名古屋ツアー

2012年11月マ日 ついに開業した! 学生時代から古本屋という場所が大好きだった自分が、古本屋の主人になってしまった。それも神保町のまん真ん中で。 小学生のとき最初に憧れた職業の落語家にはならず、漫画家にもなれず、イラストレーターにもなれなかった…

08 ちんこ書店とマニタ原人とコンセントピックス

2012年10月マ日 マニタ書房を開業したとして、1日どれくらいのお客さんが来るだろう? そんなこと考えるまでもない。せいぜい一人か二人、おそらく数えるほどでしかない。だとするならば、代金を会計するためにレジスターが必要かと問えば、必要ないよね、と…

07 書籍商の標識と札幌ブックオフツアー

2012年9月マ日 松戸市役所に開業届を提出しにいく。なんというか、ちゃんとした正式の届け出用紙があるのかと思っていたら、藁半紙にコピーを繰り返したようなヘボい感じのものが出てきて、拍子抜けした。昭和の学校かよ。ともあれ、これによって古本屋の店…

06 暴走族本とせんべろ古本トリオと委託販売

2012年8月マ日 かつて暴走族に関する本の出版ブームがあった。『俺たちには土曜しかない』(二見書房)、『止められるか、俺たちを』(第三書館)、『ザ・暴走族』(第三書館)などなど。ぼくが高校生の頃だから、1979~1980年頃のことだろうか。ぼくが通っ…

05 仕切板とブックオフ巡りと純粋なコレクター

2012年7月マ日 古本屋になったらやりたかったことのひとつに「仕切板の製作」がある。店内の在庫をジャンルごとに分類して、お客さんにそれと認識してもらうための板だ。とくに、我がマニタ書房は分類が特殊なことをセールスポイントにしようと思っているの…

04 店名決定と業務用本棚とナニワのオッチャン弁護士

2012年6月マ日 古物商の許可申請をするため、神田警察署の生活安全課防犯課に行く。目についた職員(という言い方でいいのかな?)に声をかけ、要件を告げると個室に通された。少しすると担当の者が来て、申請書類の書き方ををひとつひとつ丁寧に教えてくれ…

03 古本ゲリラと古物商許可申請と小野悦男事件

2012年5月マ日 先月末、「古本ゲリラ」というイベントをやった。簡単にいえばひと箱古本市だ。古書店主ではない一般の人たちが、不要になった古本を持ち寄り、路上にビニールシートなどを敷いて売る。すなわち古本のフリーマーケット。最初に誰が企画したの…

02 古本酒場とコピー機の悪夢とまさかの神保町

2012年4月マ日 住居のためのアパートを借りるのとは違って、店舗用の物件は敷金・礼金がすげえ高いというイメージがある。神保町のあのメインストリートにある古本屋なんて、いったい家賃いくらなんだろう。月100万とか、200万とかするのかな。 ぼくが店舗を…

01 実店舗へのこだわりと値付け方法と蟲文庫

2012年3月マ日 正確な日付までは覚えていないが、3月のある日、唐突に古本屋を開業することを思いついた。昔から古本屋が好きだったぼくが、自ら、古本屋に、なるのだ。 最初に古本屋という場所に足を踏み入れたのは、いつ、どこの、何という店だっただろ…

00 少し長いまえがき

『マニタ書房閉店日記』とは、2012年の10月から2019年の4月まで、およそ7年弱の間だけ神保町に存在した「特殊古書店マニタ書房」という風変わりな古本屋の記録である。 ぼくは2011年の10月に、かねてより闘病中だった妻に先立たれた。後に残されたのは、小学…

メルマ旬報の終刊に寄せて

既報の通り「水道橋博士のメルマ旬報」は、2022年9月末で終刊となります。それにともない、現在ぼくが連載中の「マニタ書房閉店日記」も、前号での更新(2012年8月 第6回「暴走族本とせんべろ古本トリオと委託販売」)をもって終了となります。今後は、とり…

これまで書いたり編集したりしてきたゲームの本

2022年3月5日から4月24日にかけて、小樽文学館で「雑誌・攻略本・同人誌ゲームの本 展」という展示があるという。見に行きたいね。でも北海道か。ちょっといまは行けない。仕事はあるのにお金はないし、北海道のすぐ上にある国は戦争をやってる。 ぼくはこれ…

新刊『勇者と戦車とモンスター』まもなく発売

12月20日にとみさわの新刊『勇者と戦車とモンスター 1978~2018 ☆ ぼくのゲーム40年史』が駒草出版より発売となります。そのプロモーションのひとつとして、本文中に登場する主な固有名詞をリストアップしてみました。これらがどのような文脈で登場するのか…

トホ散歩

朝の散歩を始めた。 第一の目的は健康増進、体力維持だけど、第二の目的というか、どちらかというとこちらの方が本当の目的じゃないの? と自分で思っているのは「本を読むため」だ。 ゲームフリークに勤務していたり、神保町でマニタ書房を経営していたとき…

『藝人春秋2』と『藝人春秋3』

2021年03月18日 文春文庫から刊行された水道橋博士の新刊『藝人春秋2』と『藝人春秋3』を読んだ。 元は『週刊文春』に連載された人物評の形をとったエッセイである。2012年に刊行された単行本『藝人春秋』に続いて、その続編となる『藝人春秋2』が2017年…

映画『あの頃。』を見て

2021年02月19日 劔幹人さんの原作を映画化した『あの頃。』を公開初日に観てきた。とてもいい映画でした。 ぼく自身は劔さんより18歳年上で、この映画で描かれているアイドルオタクたちよりはかなり古い世代になる。ただ、アイドルを好きになる衝動は不変の…

酒エッセイ「マニタ酒房」やってます

ぼくは2014年から2015年にかけて、セガ社が運営していた会員制SNS「it-tells」に酒エッセイ「酔ってるス」を連載していた。「it-tells」終了後、その酒エッセイが読まれない状態にあるのは惜しいので、当時の責任者に許可をいただき、多少の加筆訂正を加えた…

2020年に見た映画

今年見た映画(新旧問わず)を一覧にしてみた。全部で116本。いまは仕事で映画評などを書く機会がほとんどないので、あくまでも趣味で一年間に見た本数としては、まあまあ多い方だろう。 ぼくは劇場のスクリーンで映画を見ることにこだわらないし、コロナの…

さらば宅八郎

2020年12月3日 宅八郎の訃報を知った。ご家族の話ではどうやら8月に脳出血で倒れ、そのまま還らぬ人となったらしい。 彼はミニコミ『東京おとなクラブ』のスタッフだった人で、本名を矢野守啓という。ぼくは同時期に刊行されていた歌謡曲ミニコミ『よい子の…

番号は謎

2020年09月29日 数字と番号は違う。ぼくは数字を見ると頭痛がしてくるタイプだが、番号だけは昔から大好きだった。初めて買ってもらったミニカーのボンネットに、大きな白い丸と黒い数字で「09」なんて番号が書いてあると、いつまでもそれを指でなぞっていた…

川沿いのタイトロープ

2020年08月15日 ぼくの住む町に、1本の小さな川が流れている。いまはほとんど在宅で仕事をしているが、神保町まで通勤していたときは、毎朝、その川沿いの道を歩いて駅まで向かっていた。 少し前、その川縁に柵ができた。 これがその柵 等間隔に並ぶポール…

ブックオフ大学ぶらぶら学部

2020年08月08日 『ブックオフ大学ぶらぶら学部』(岬書店)を読んだ。ブックオフ好きな8人による偏愛エッセイ、および漫画である。 表4にある値札のデザインが素晴らしい えーっ、おれも呼んでよー! というのは正直あるが、そんなことを言ってるとキリがな…

港のヨーコの港

2020年07月18日 ぼくはレコードコレクターだが、集めているのは原則として7インチ(いわゆるシングル盤)だけ。 なぜ、7インチを偏愛しているかというと、それがもっとも「好きな曲を所有している感じ」がするからだ。この気持ち、わかってもらえるだろうか…

娘との20年

2020年07月16日 娘が二十歳になった。 2011年に女房を亡くしたとき、娘はまだ小学5年生だった。それからぼくが男手ひとつで……と言えばかっこいいのだろうけれど、幸いなことに母も姉も同居していて子育てを助けてくれたし、遠方に住む義理の姉と妹、妻の親友…

ぼくのアメコミはどこから

2020年07月04日 ツイッターで「#あなたのアメコミはどこから」というハッシュタグがまわってきて、自分のアメコミへの興味は何から始まったのだろうか? と考えた。はい、嘘書いた。考えるまでもなく、1978年創刊の『月刊スーパーマン』であることはわかって…

新型コロナ音頭

2020年07月03日 拙著『レコード越しの戦後史』でも書いたことだが、日本人というやつは何か歴史的な出来事や事件があると、すぐにそれをレコード(CD)にする。オリンピック、万博、東京タワー。ぼくは珍盤コレクターなので、そうしたレコードやCDは手当たり…

東京のご当地麺とは?

2020年06月26日 日本人は麺好きで、うどん、そば、ラーメンを初めとして、全国各地に「ご当地麺」と呼ばれるものがある。何かにつけてコレクター的アプローチをしてしまうぼくは、好物の麺類においても例外ではない。これらのご当地麺をリストアップして、エ…

ブックオフをたちよみ!

2020年06月23日 2019年の4月いっぱいでマニタ書房を閉めてから、近頃とんとブックオフには行かなくなってしまった。そりゃそうだ。なにせ本を仕入れる必要がなくなってしまったから。 個人的にはいまも古本を集めるのは好きだし、ブックオフという場所にも愛…

サタデーナイト怪謡曲

2020年06月13日 ドーナツ盤が約90枚入ったバッグを肩から提げ、四谷までやってきた。朝からあいにくの雨で、傘をさしながらの移動はなかなかしんどい。アナログでDJをやってる以上、これは避けようがないことなので諦めているが、腰痛持ち&痛風持ち&非力な…

ブックオフツアー銚子編

7年ほど経営していたマニタ書房を2019年の4月末に閉店して以来、古本の仕入れツアーをすることはなくなっていた。ぼくが古本の仕入れといったら、それは「ブックオフめぐり」であることは、とみさわ昭仁を知る人ならばわかっているはず。 閉店後も個人的な…