すきなひと

柴尾英令氏の旅立ちを見送る会

ライター、ゲームクリエイターの柴尾英令くんが急逝したのは4月2日。ぼくよりひとつ年下で、まだ55歳の若さだった。 同業であり、友人でもあった彼との別れを惜しんで、「さよなら柴尾くん」という短文を書いたのが4月の12日。それをお互いが連載している『…

さよなら柴尾くん

以下の文は、メルマ旬報 vol.153のために書いたものですが、ぼくと柴尾くんの共通の友人でメルマ旬報を購読していない人にも読んでもらえるよう、ブログにも掲載します。 ----------------------------------------------------------------------- 柴尾英令…

ロックンロールなんとかリーグ

さっくり書こうと思ったが、時系列がややこしいので、まずは順を追って話そう。2012年の12月。漫筆家・安田謙一さんが、過去10年のあいだに書きためた原稿がまとめられて本になった。タイトルは『なんとかと なんとかがいた なんとかズ』。相変わらず流石な…

藝人春秋を読んだ

水道橋博士の話題の書、『藝人春秋』を読んだ。読む前に評判の声を各方面から聞いていたので、いまさらそこへ踏み込むのも気が引けるなあと、逡巡しつつ読んでみることになったが、そんな心配は杞憂だった。たしかにこれはすごい。藝人春秋作者: 水道橋博士…

満員御礼・ヒッポンエイジス

ヒッポンエイジス、おかげ様で満員御礼となりました。ご来場いただいたヒッポン読者の皆さん、来たくてもいろんな事情で来れなかった皆さん、全員ありがとうございます。以下、当日の感想や語りきれなかったことなどを記しておきます。 ※ ※ ※このイベントを…

レコードコレクター・江川光さんの思い出 後編

(前編からの続き) 一般的に、レコードコレクターは同好の仲間とは一緒に中古屋めぐりをしない。なぜなら、ひとつしかないレア盤をめぐってトラブルになったりするからだ。たった1枚のレコードのせいで友情が壊れたなんて、まったく笑えない話だ。でも、江…

レコードコレクター・江川光さんの思い出 前編

おれは同年代の普通の人よりもかなり手広く、オールジャンルの音楽を聴く方だろうと思うが、いちばん好きで、いちばん長時間聴いているのは、いわゆるパンクと呼ばれるジャンルだ。これは誰に影響を受けたわけでもなくて、純粋に自分の魂の衝動として、聴か…

新伍のコーヒータイム

10月の末にゲーム業界のパーティーがあって、そんときのビンゴでスタバのクリエイト・ユア・タンブラーをもらった。おれは喫茶店はルノアール、お持ち帰りはドトール男なので、スタバに行くことはあんまりないんだが、自分のオリジナルタンブラーを作れる…

いちょう祭りで逢いましょう

東京ロッカーズ世代のおれなので、Auto-Modのジュネさんのブログ「フェティッシュダディーのゴス日記」は当然のことながら愛読している。そこでは、バンド活動の告知はもちろんのこと、それ以外に日々のグルメ話も満載されていて、ジャパニーズ・ゴスの帝王…

マクラ抱いてアキバ・ウォーズ

なんだかものすごいらしいと噂に聞いていた、『十津川警部 アキバ戦争/西村京太郎』を、湯河原出張へ行く新幹線こだま649号の中で読んでみた。十津川警部 アキバ戦争 (トクマ・ノベルズ)作者: 西村京太郎出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2008/05/16メディ…

キンタマ5回、ドキンタマ3回

id:tsumiyamaさんのこのエントリを読んだらとても懐かしい気持ちになったので、漫画原作者の黒沢哲哉さんに連絡をとって、10年ぶりぐらいに再会することとなった。黒沢さんは、かつての別名を“てつ麿(まろ)”といって、おれが少年ジャンプの『ファミコン神…

ご長寿モンスター・ナリタゴールドとカニエシルバー

そろそろ、きんさんぎんさんが熱いのではないか、と思っている。 いちおう、お二人がまだ元気な頃から注目はしていて、童謡のCDを出したと知ったときにはレコード屋にすっ飛んでいって新譜で買ったこともあるおれだが、グッズを本格的に集めようとまでは思わ…

最後のゲーム超人

いまでは仕事でもプライベートでもすっかりゲーム雑誌とはご無沙汰しているおれだけど、かつては複数のペンネームを使い分けて、あっちゃこっちゃのゲーム雑誌で原稿を書いていた。とはいえ、ゲーム攻略はヘタッピだったし、ゲーム文化論をエラそうに語れる…

元祖適当男

日本三大ギタリストといえば、誰がなんと言ったって チャー 寺内タケシ 深沢七郎(a.k.a.楢山節考) というのは間違いないと思うのだが、残念なことに深沢七郎をギタリストとして認識しているひとはそんなにいないんだな。ギターと小説、どっちが本職なのか…

アイドル大好き金子カントク

失われた歌謡曲―MY LOST DOMESTIC POPULAR SONG (エスノブックス)作者: 金子修介出版社/メーカー: 小学館発売日: 1999/05メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 13回この商品を含むブログ (10件) を見るおもに70年代から80年代にかけての歌謡曲とアイドルの歴…

そんなおれは「すぐやらない男」

自分が15歳のときに実家が松戸市に引っ越して、高校時代はマツモトキヨシ小金城趾店でバイトをしていて、いまもかなりの頻度でスーパー・マツモトキヨシで買い物している身としては、マツモトキヨシ氏にはひとかたならぬ思い入れがある。 マツモトキヨシ氏と…

岸壁の妻の声がエコーする

渋谷のブックオフで購入した(105円)。タイトルを見た瞬間、キタ──!って思ったね。風船おじさんの調律作者: 石塚由紀子出版社/メーカー: 未来社発売日: 2000/12メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 58回この商品を含むブログ (5件) を見る1992年11月23日…

大人になった美少年

かの三島由紀夫をして「三田明が天皇だったら(彼のために)いつでも死ぬ」と言わしめたほどに、デビュー当時の三田明は美少年だった。 そんな三田明が出した手相術の本を手に入れた。 『三田明の手相百発百中/三田明』(たちばな出版) まあ、どうってこと…

集めるも八卦、集めないも八卦

自分がひとを好きになる基準というのがよくわからない。いや、自分の中ではあまり迷うことなく、見た瞬間に「あっ、こういうひと好き!」と決めて、そのひとの書いた本を買ったりするわけだが、じゃあ、その好きになるときと、そうでないときの境目は? と問…

燃える野望と冷めたトカゲの目

ヒマさえあればあっちこっちの古本屋を巡って、いろんなテーマで本を集めているおれが、数あるテーマの中でもとくに収集に力を入れているのが「短期間に巨万の富を築いた素晴らしい起業家の方々がお書きになられた本」だ。せっかく怒られないようにおれが言…

素晴らしきかな勲章人生

嶋村光夫、という名前をご存じだろうか。帝国ホテルを皮切りに数々の有名ホテルを経て、最後はロイヤルパークホテルの総料理長まで勤め上げ、昭和天皇の晩餐にも腕をふるったことがあるという凄腕のシェフである。背表紙に『素晴らしきかな料理人生』と書か…

105円の棚がおれを呼んでいる

三浦さんが自殺しちゃったのは、もしかしておれがこんな記事を書いたせいじゃないだろうか? と、よくわかんないけど責任を感じたりしています。忘れられたはずの本をほじくり出してゴメンよ、三浦さん! と、故人のご冥福を祈りながら会社帰りに地元のブッ…

ブクオフいっちゃえ!

ホストの姿が変わりはじめたのはいつからだろう。伏見直樹さんとか愛田武さん(大好きなひとたちなので敬称略さず!)が最前線で活躍されていた頃は、ホスト(もしくはジゴロ)と呼ばれる方々はあきらかに普通の男とは姿形が違っていた。なんというかなー、…

カミングアウトの境界

オカマ……ではなくて、その“一歩手前”のような存在には、昔から妙に惹かれる。いまはテレビをつけると、はるな愛とかIKKOとかマツコデラックスとかクリス松村とかKABAちゃんとかミッツマングローブとか楽しんごとか尾木ママとかアレとかコレとか、い…

首に縄をつけているのはどっちだ

みんなサッチー(野村沙知代)のこと嫌い? おれは好きなんだけどな。むしろミッチー(浅香光代)はうちのオフクロに似てるから苦手なんだ。そんなことはどうでもいいか。刊行されたときに新聞広告で見て、その良すぎるタイトルに惹かれて読んでみたかったん…

Paint it white 白く塗れ!

タレント本の範疇にはいるのかもしんないけど、美白の女王、鈴木その子の本も1冊ぐらいは欲しかったんだよね。あのひと、いっぱい本を出してて、しかも美容系ジャンルの宿命として本の商品寿命が短いから、ブックオフ行けば105円コーナーでいっぱい叩き売り…