知らないひとの自伝はたのしい

どこの支店でもブックオフの「105円コーナー」は、本のサイズによってだいたい次の3つに分類されている(マンガは除く)。

  • 文庫  おそらくこれがいちばん在庫の数が多い。
  • 新書  ノベルスも含むが、案外と在庫数は少なかったりする。
  • 単行本 四六判からA5判くらいで、在庫数は店によってバラツキがある。

おれが集めているヘンな本の類は、ジャンルで言えばノンフィクションとか実用書がほとんどだから、ブックオフに行ってもだいたい単行本のコーナーだけチェックして引き揚げることが多い。でも、わりと時間に余裕があるときは文庫や新書、ノベルスのコーナーも軽く流して見たりすることがある。
先月、秋葉原店に行ったときは時間に余裕があったので、どうせ買うものはないだろうと思いながらもノベルスの棚を見ていた。そうしたら、ちょっと気になるタイトルの本が目に付いた。
『目川探偵の事件簿/目川重治』
普通、こういうタイトルと著者名だったら探偵小説だと思うよね。『法月綸太郎の冒険/法月綸太郎』みたいなさ。でも、目川重治なんて小説家は聞いたことがなかったし、版元がデータハウスだというのが心に引っかかって、棚から抜き出してみたんだな。
そしたら、こんな表紙だったわけだ。

これは「え?」ってなるよね。だって、こっちは無意識のうちに講談社ノベルスの表紙のイメージを心に思い浮かべてたんだからさあ。で、中身をパラパラ見てみると、これが小説ではなくて実在する私立探偵さんの自伝だったんだな。おれ、自伝って好きでね。とくに知らないひとの自伝はすぐ買っちゃうんだ。
そうしてよく読んでみると、この目川さんはその筋では有名なひとらしくて、森下裕美のマンガにも彼をモデルにした探偵が出てくるらしいんだ。たしかにマンガのモデルにしたくなるオーラを発してるよね。でも、「マンガのひとだ〜」なんつって笑っちゃいけない。こう見えてもこのひと、英国人のクォーターなんだから!(本人がそう書いている)