24 BRUTUSと煙突写真と釣り人の群衆

2014年2月マ日

 今月1日発売のBRUTUS』は「手放す時代のコレクター特集」。企画段階から協力していて、ぼく自身もエッセイも寄稿しています。どのようなコレクション遍歴を経て「エアコレクター」の境地に辿り着いたのか? そんな感じの話を書きました。

 どういう台割で掲載されるのかと思ったら、世界的アートコレクターのドロシーさんと、膨大な蔵書を持つことで知られる立花隆さんの記事の間に挟まっていて、たいへん恐縮です。

 ドロシーさんのコレクションは映画にもなっているので、興味のある人は『ハーブ&ドロシー』を見てほしい。

 

2014年2月ニ日

 レギュラー執筆陣に入れてもらっている雑誌『フリースタイル』。ぼくが書き始めたのは19号からなので、以後は毎号送ってもらっているが、そうなると18号以前も揃えたくなるのが性分だ。以来、古本屋巡りでの仕入れ業務ついでに、見つけた号をコツコツ集めている。今日は神保町三省堂裏にある古書モールで「5号」を見つけた。この「ときどき見つかる感じ」のゲームバランスがとてもいい。これで残すは4、6、7号となった。

 同様に『本の雑誌』も集めたいところだが、こちらは現時点で340冊以上あるし、もう初期の号をバラでコツコツ集めるのは不可能だろうなあ。

 

2014年2月タ日

 夕方。ピアノ教室に行く娘と歩きながら「才能」について話す。

 才能の有る無しとは、技術的な「上手さ」「下手さ」のことではない。娘は暇さえあれば絵を描いている。上手いかどうかじゃない。なんのノルマもないのに能動的に絵を描きたくなる衝動こそを才能という。

 一方、ピアノはどうだ? お教室がある日は弾くし、発表会が近づいてくれば弾く。でも、それ以外の日に弾いているところをお父さんは見たことがない。だから、残酷なことを言うようだけれど、お前にピアノの才能はないのだ。

「じゃあ、お父さんにギターの才能はある?」

 まったくございません! 酔っぱらいの才能ならあるんだけどなあ。

 

2014年2月シ日

 一日の仕事を終えて、四谷三丁目にあるスナックアーバンへ。一人カウンターで飲むつもりで行ったら、背後のテーブル席にデザイナーの井上則人シャチョーが先客でいた。同席していた人物を紹介され、いただいた名刺を見て仰天。 かつて超芸術トマソンで麻布の煙突のてっぺんに立って自画撮りをした命知らずの写真家、飯村昭彦さんだったのだ。20代にあの写真を見たときの戦慄はいまでも忘れられない。

 

2014年2月ヨ日

 規格化された商品はこの世のどこかで誰かが必ず集めている。

 

2014年2月ボ日

 2月の下旬に3日間かけて鹿児島から宮崎のブックオフ仕入れツアーに行ってきた。今回、入手した本の中でもっとも笑ったのは『川づり』。単に魚釣りのハウツー本だから古書的な価値はないに等しいのだが、なにしろ表紙がいい。

 川での釣りって、静か~にやるものじゃないですか。水面に釣り人の影が写っただけでも魚は逃げてしまうと言うよね。……それがこれですよ。

 釣り人、なんでこんなにたくさんいるのよ!