すごい絵のレコジャケの世界(号泣編)

『あなたの熱い胸/溝田龍生』(1987年 フチガミ・レコーディングスタジオ)

池袋の中古レコード市で、マニアな皆さんがせっせとレアなお皿を掘っているのを尻目に、むひょー! っと歓喜しながら手に入れた、題材的にも作風的にも工藤静香みたいなイラストがジャケになってるこの1枚。
で、誰これ? 作詞・作曲・歌唱すべてを担当しているのは溝田龍生さんという方で、ググってみたけどまったく手掛かりなし。さらにイラスト担当の乙姫達也さんのお名前もググってみたけど、これまた手掛かりなし。だが、その得体の知れなさがいい。


『愛の調べ/そのねのね』(1973年 ユニオンレコード)

何かヘンである。これといってデッサンが狂っている様子もないし、塗りはやや雑だけど色使いもわるくない。だけど、何かヘンなのである。よーく見てみて気がついた。目がヘンなのだ。せっかく橋本淳作詞、すぎやまこういち作曲というウルトラ黄金コンビの楽曲だというのに!
唄っている「そのねのね」というのは「あのねのね」のニセモノではなくて、あのねのね自身による変名ユニットだ。というか、いまの人はもうあのねのねなんて知らないか。


『母ごころ/嶺よう子』(発売年不明 グリーン音楽サービス)

またすごい絵のレコジャケ発見ー! と色めき立ったが、よく見ると隅っこに「イラスト:土屋奈津江(11才)」なんて書いてある。子供の絵っていうのは、可愛らしさの裏側に哀しさみたいなものが垣間見えるときがあって、なかなか奥が深いんだよな。
しかもこのレコ、A面は夫を亡くして女手ひとつで幼子を育てる母の歌で、B面は中国残留孤児が生き別れた父母を想う歌なのだ。笑えるレコジャケを集めていたつもりが、なぜか号泣しているおれなのだった。