フィルムに記録されたフィリピン妻

映画学校の学生だった寺田靖範氏が、フィリピンパブ通いで知り合った女性テレサと恋に落ち、結婚することになる。そこでふと「これをセルフドキュメンタリーとして撮ったらおもしろいんじゃないか」と閃いて、学校の卒業制作にしたのが映画『妻はフィリピーナ』。その制作背景を綴ったのが本書である。

『妻はフィリピーナ 制作ノート+採録シナリオ/寺田靖範編』(1994/話の特集
先日の『フィリピーナと結婚すること』と、2冊続けてこのテの本を読んできたおかげで、だいたい見えてきた。フィリピン女性を嫁にする物語の醍醐味は“愛と金のせめぎ合い”なんだな。
フィリピーナというのは、日本人の恋人には(たとえそれが婚約者であっても)ことあるごとに金をせびる。だからといって、愛がないわけじゃないんだよ。ただ、彼女らが日本へ働きに来た理由は、フィリピンに残してきた貧しい家族を救うためであるのも事実なんだな。だから、自分に熱心にプロポーズしてくれる男性に愛情は感じているけれど、故郷の家族を切り捨ててすっぽりと日本人の妻になってしまうわけにもいかないんだ。そして日本人男性の側も、彼女たちのそうした態度にもどかしい思いをしながらも、愛情を感じている。いまの日本人女性からは失われつつある“家族愛”をもったフィリピン女性に惹かれてやまない。そこにあるのは厳しい現実と、尊い愛の形だ。
ところで、今回の花嫁テレサさんは早見優さかなクンを足したような魚類系美人で、わりとおれ好み。そこもいい。なんだかかなり偏見が取れてきて、フィリピーナを嫁にするのもいいもんだなあと、最近、思えてきたよ。

[PHW] 2008年12月号(Vol.29) 「フィリピン究極情報マガジン」

[PHW] 2008年12月号(Vol.29) 「フィリピン究極情報マガジン」