キンタマ5回、ドキンタマ3回

id:tsumiyamaさんのこのエントリを読んだらとても懐かしい気持ちになったので、漫画原作者黒沢哲哉さんに連絡をとって、10年ぶりぐらいに再会することとなった。黒沢さんは、かつての別名を“てつ麿(まろ)”といって、おれが少年ジャンプの『ファミコン神拳』に“カルロス”というキャラクターで参加していたときの先輩だ。もう21年も前の話である。あれから黒沢さんはマンガ原作者の道を歩むようになって、『プレイヤーは眠れない』の他にも、『マジック・マスター』などのマンガ原作をたくさん書いている。

マジック・マスター (11) (ガンガンコミックス)

マジック・マスター (11) (ガンガンコミックス)

黒沢さんのはマジックマスターだからね。オナニーマスター黒沢は関係ないので注意しておくれよ。つーか間違えないか、そんなの。
それはともかく、まずは適当な場所で待ち合わせて軽くお茶でもしながら昔話を……というつもりだったのだが、ふと、知人から赤塚不二夫展の招待券をもらっていたのを思い出した。黒沢さんといえばモロに漫画界の人だから、赤塚展を誘って賛成の反対などするはずもない。というわけで、9月4日の閉幕ギリギリに二人して赤塚不二夫展を見てきたのだった。

いや、噂には聞いていたが、本当にすばらしい展覧会だった。展示の監修はデザイナーの祖父江慎さんがやっていたらしい。原画展としては掟破りの「天地逆さま展示」もあったりしたが、それもまた赤塚先生らしいというものだ。
赤塚マンガというと、ひとつの固定されたイメージがあるようだけど、ネットでいろんな人の感想を読んでみると、それぞれ思い入れのある作品は違っていて、展示されている原画に感動するその対象がバラバラなのがおもしろい。おれはなんといっても『天才バカボン』以降に繰り広げられた、既成のマンガ様式を破壊するようなギャグに打ちのめされた世代なので、やはり『レッツラゴン』の原画なんか見せられたらたまらない。原画を鑑賞する、という以前に、普通にマンガとして読んでしまって、思わず会場で爆笑しそうになったな。
会場内をふと見たら、とり・みきさんもいらしていた。メモ魔のおれが展示を見ながらちょこちょこ手帳に書き込んでいたのが気になっていたようだけども、あれは展示原画の中に何回「キンタマ」って出てくるか数えてたんだよね。だってそれが出てこなきゃ赤塚マンガじゃないもんねえ。
とりさんとは会場で別れて、そのあとは黒沢さんとルノアールでお茶して解散。さらにそのあと、おれはひとりでシネパトスへ行って『ブラックウォーター』(ワニ映画)を観た。これについては人喰い映画祭に書きます。