古本たずねて神戸弾丸ツアー その13

これで神戸弾丸ツアーのレポートは最終回だから、安心しな!

メガネ屋さんの変なキャラに見送られて、三宮センタープラザの探索を終えたおれは、バスの発車までもうちょいある時間をつぶすために、居酒屋に入ることにした。どうせなら、あんまり関東の店では食えないっぽいものがいーなーと思って、おでんにした。いや、おでんはどこでも食えるけど、具がちがうんじゃないかと思ってサ。

  
左)西のおでんは牛スジ。いまは東京でも普通に入ってたりするけど。
中)これこれこれ! これが食べたかった、鯨の“コロ”。いい歯応え。
右)おでんだけでは物足りなかったので、鱧(はも)皮も注文しちまおう。

ほいで、いい心持ちになったところでバスの発着所になっている神戸市役所・花時計前へ移動する。地下道からそのまま行けるようなので、荷物のカートをコインロッカーから回収してゴロゴロと引っ張っていく。

地下道の壁面を見ると、子供たちが描いた絵が飾ってある。神戸学生青年センターでも「子どもの絵/カラーブックス」を買ってるぐらいだから、おれ、子供の絵って好きなんだよ。

飾ってあるうちの1枚の絵が気になった。大きな虹の下に世界中の国旗が配置されている。

世界平和をテーマにした絵なんだろうね。おれ自身、子供の頃はこういうチマチマした絵を描く子供だったから、よけいに親近感を感じた。

近くに寄って見ると、なんかやたらと国旗の描写が正確。しかも異常に細かい。ああそうか、大きく虹を描いて、その下に国旗のシールか何かをペタペタ貼った作品なんだな。なるほど、5年生のエリカちゃん、おもしろいことを考えたなー。

と思って、さらに近くに寄ってみて驚いた。

この子、全部手描きしている──!! まるで40年前のおれを見ているようだ──!!

と、薄暗い神戸の地下道の中で軽くびっくりしてみせたところでバスに乗り込み、8時間後。例によって寝たり起きたりを繰り返しながらも、なんとか早朝の西新宿に到着。こうして、3日間にわたって繰り広げてきた神戸弾丸ツアーは、無事に終えることができたのだった。いっぱい本買ったし、いろんなもの食べたなあ。

安田謙一さん、いれめさんにはすっかりお世話になっちゃったな。お土産までいっぱいもらったし、東京─神戸間を3往復したいぐらい感謝してます! それから、あこがれの戸川昌士さん(ちんき堂)にもお会いできて、うれしかった!
たった数日、観光に来だけの人間がいうのもなんだけど、神戸はすっかり復興しているように見えた。だから、東北もいつかきっとそうなるはず。そうしたら今度は「古本たずねて東北弾丸ツアー」をやってみよう。