快適、札幌ブックオフ仕入れツアー その7

で、どこまで話したっけ?

そうそう、札幌に着いて3日目の9月28日。札幌市内にあるブックオフ21支店のうち、18支店までまわったところだったね。そんで“いい暖簾”の店でしこたま飲んで、ラーメン食ってホテルに帰ったんだった。

明けて29日。札幌ツアーの最終日。まわるべきブックオフは残すところ3軒! かなり前倒しでスケジュールをこなしてきたので、ここまで来ればもう余裕だ。ちゃんと札幌から千歳方面へ向かうルート上の店だけ残してある。ドライブ気分でブックオフをたどりながら、新千歳空港へ向かっていけばいいのだ。

札幌、というか北海道の自動車道路は、ほとんどが三車線以上ある。これは、雪解け用のスペースも兼ねているからだ。東京の狭いうえに渋滞だらけの道路に慣れてしまっている身には、天国のようなトラフィックである。むしろ、あまりの走りやすさに予定より早く、最初のブックオフ「札幌南郷20丁目店」に着いてしまった。まだ9時47分。道路以上に広い駐車場にクルマを停め、ツイッターを見たりなんかして時間をつぶす。ほどなくして店がオープンすると、広い店内を早足で見て歩く。

皆さんは、ブックオフに行ったとき、どういうところを見るだろうか? すべての棚をまんべんなく見るんだろうか? おれの場合は、いつも時間との勝負的にブックオフを巡回しているので、当然、すべての棚を見てまわるなんて無駄なことはしない。

店に入り、まず最初にチェックするのは、「実用書やノンフィクションの105円均一棚」。ここでマニタ書房に置きたくなるような本を探す。うちの在庫の約半数はこうして仕入れている。

次に見るのは、「ノベルスや新書の105円均一棚」。といっても小説は一切見ないで、ここでも実用書のたぐいだけをチェックする。そうして『お嬢さまと呼ばれたい!! 3LDKのプリンセス 川嶋紀子さんの魅力のすべて』(1990年/ブレーン出版)なんて本を掘り出してくるわけだ。

どーよこれ、いい本でしょう?

ご本人は一度も「お嬢さまと呼ばれたい」なんて言ってないと思うんだが、勝手にそう言い切ってる。「3LDKのプリンセス」ってのもなんだか意地のわるい視点だよな。でも、そんな野次馬エディトリアルを、紀子さんの爽やかな笑顔と白いお帽子がすべて吹き飛ばしてくれる。いや、いい買い物したわ。

で、最後に見るのは、「文庫の105円均一棚」の中の「新潮文庫」のコーナー。なんでそんなピンポイントな場所をチェックするのかといえば、商売の仕入れとは別に、マイコレクションのためのある本を探しているからだ。何を探しているかはまだ秘密。ライバルが増えると困るからね。ある程度の数がたまって、誰も追い付けなくなったら、明らかにするかも。

というわけで、ここで購入したのは先ほどの紀子さん本も含めた2冊。数は少なくとも、いい買い物ができました。

続いて20軒目「札幌平岡店」では収穫がたくさんあり、13冊購入。そしてついに最後の店、「36号札幌美しが丘店」で9冊購入──。

こうしておれは、北海道は札幌市内にあるブックオフ21店舗を、すべて制覇したのだ。総購入数は119冊。段ボール箱にして2箱とちょっと。いやー、走った走った、買った買った。

このあと、新千歳空港そばにあるレンタカーの支店に車を返却し、空港内にある温泉で汗を流し、一人ジンギスカンに生ビールで祝杯をあげ、成田へ向かう機上の人となったのだった。(おわり)