嶋村光夫、という名前をご存じだろうか。
帝国ホテルを皮切りに数々の有名ホテルを経て、最後はロイヤルパークホテルの総料理長まで勤め上げ、昭和天皇の晩餐にも腕をふるったことがあるという凄腕のシェフである。
背表紙に『素晴らしきかな料理人生』と書かれた本がブックオフの棚に挿さっていても、よほどのグルメか料理人マニアでもないかぎり、普通は手に取らないわな。おれはグルメでも料理人マニアでもないけれど、著者の嶋村光夫というひとが“ある点”で有名なのを知っていたので、この本を見つけたときは躊躇せずに棚から引き抜いた。そして期待通りの表紙に、思わず「ひゃっほーい!」と声をあげた。
こんな表紙です。
このひとはね、勲章マニアなんだよ。といっても、古道具屋をまわって古い勲章を買い集めるとかそういうことではなくて、一流料理人としての功績で、自らが本当に授かった勲章を集めてる。だからまあ、胸を張っていいのはたしかなんだけど、それを照れも隠しもせずに、ばんばん身に付けるっていうのが素晴らしいよね。
いちおう普段はこれらの勲章を仕舞っていて、「ここぞ!」というときに身に付けてくるらしいんだけど、できれば日常的に装着していてほしいな。身体中にじゃらんこじゃらんこ勲章ぶら下げて、踊りながら肉を焼くパフォーマンスの鉄板焼き屋とかあったら絶対通う。芸名もいっそのこと「デコレーション嶋村*1」とかにしてほしい。*2