沖縄本島ブックオフ支店全制覇ツアー その3

ホテルに帰ってシャワーを浴びた。パンツも履き替えた(深い意味はない)。まずは国際通りでもぶらついてみよう。

ホテルを出て美栄橋駅からゆいレールに乗り、ひと駅となりの県庁前駅で降りる(これは後半になってから気づいたことだが、ゆいレールは駅間がそう長くないので、ひと駅ふた駅ぐらいなら徒歩でも余裕で行けた)。県庁前駅からは国際通りはすぐだ。この日のブックオフめぐりがすでに終了しているので、これを読んでいる人は夜の国際通りを歩いているように思われるかもしれないが、時刻はまだ午後3時。朝は空を覆っていた雲が昼過ぎから晴れ、いまはものすごいいい天気なのだ。むしろ暑いほど。

国際通りってーのは、東京でいうところの竹下通りだね。大変にぎやかでけっこうだけど、並んでいるのはいかにも観光地然としたお土産屋さんばかりで、琉球ガラスのコップとか、海人(うみんちゅ)Tシャツとか、そういうわかりやすいものが並んでいる。飲食店もレストランやファーストフード的な店が中心で、一人客が昼から飲めそうな酒場はない。これは沖縄が悪いんじゃなくて、おれが場違いなだけだろう。海の方へ行けばなんか魚で飲める店があるんじゃないかと、若狭大通りに出てみたが……。

なんにもねえーー!

アッチデモナイ、コッチデモナイと道に迷っているうち、古書店の「ゆいま〜る」さんのところに出た。なかなか味のある店構え。この写真には写ってないけど、A型看板の反対側には綾波レイが描いてあったりした。ここではアフリカの獣医の本を1冊購入。

さらにウロチョロしているうちに、なんだか無闇にステーキ屋さんの多い一角に出た。ここはどこだろうと地図で確認してみれば辻地区。沖縄を代表する風俗街だった。ステーキ屋は米軍のいる土地だからってのもあるんだろうけど、やっぱスタミナつけてお風呂に突撃するってことなんだろうなあ。

とかなんとか無関心を装いつつ、フトコロの寂しいおのれを恨みながら歩いているうちに、一軒のラーメン屋の前に出た。

この店、どうですか? いいでしょう。

シャッターの閉まっているのがちょっと残念だけど、見た瞬間に笑ってしまった。営業していれば、おれは絶対ここで「どさんこ味噌バターコーンラーメン」かなんか食ってツイートしたのになー。残念だー。

ま、沖縄の人だってそう毎日毎日ソーキそばだけ食ってるわけじゃない。たまには札幌ラーメン食いたくなるときだってあるよねえ。

日本中、アッチコッチ歩き回ってるおれだけど、さすがに長時間歩き続けてクタビレタ。犬も歩けば足が棒だ。そこで、旭橋駅からふたたびゆいレールに乗り、牧志駅まで引き返すことにする。今度は国際通りを反対側からたどってみるのだ。

車両の座席に腰を下ろして、ふくらはぎを軽くマッサージ。ひと休みすればまだイケそう。牧志駅で降り、ふたたび国際通りに出る。土産物屋を冷やかしながら前の晩に飲んだ店のあたりまで戻るうちに、平和通りという、地元の商店街のようなアーケードがあったので足を踏み入れる。すると……見つけた! おれ好みの店っ!

いーわ、これ。高級感とか、日本の侘び寂びとか、隠れ家的なとか、琉球の歴史とか、そういうの全部いらん! おれはこういう地元の人が普通に利用するような生活感が欲しかったの。こういうトコで飲むのがいまの理想なのよ。で、酒のツマミ的にはそんなに選択肢のないメニューの中から、ビールセット(中瓶、刺身、ラフティ、ミミガー)1000円を注文。

この得したような、そうでもないような、ゆる〜い感じが最高。今日もおれは戦いに勝った!

その4へ続く)