つくたま古本ハンティング[後編]

浦和に着きました。ここでは、ブックオフも含めて駅周辺にある5軒の古本屋を巡る予定。
まずは、地図を書き写してきたなかから、もっとも駅から離れたところにある「浦和古書センター」へ。
古書センターなんていうから、神田の古書センターとはいわないまでも、そこそこの規模の店なんだろうと思っていたら、普通に狭い路面店だった。

つーか、狭すぎるよ!

およそ二間半間口程度の正面に入り口が左右ふたつ。でも右側はガラスドアの内側まで雑誌の束が積み上げてあって、どう考えても開かない。じゃあ左側のドアから入ろう……と思ったのだけど、半分まで進んだところであきらめた。とにかく、左右の棚からせり出している本の量がハンパでなくて、幅60センチの獣道。しかも進むほどに狭くなっていって、とても半分以上奥へは進んでいけないのだ。このままでは遭難する。これマジで営業してるの? 本、売る気ある?

目を凝らしてジャングルの奥を見るとオランウータン……じゃなくて、店主とおぼしきバーサンが無言でこちらを見つめている。


「人間よ……、森へは来るな……」

掘ったら絶対おもしろい本がザクザク出てきそうなんだけど、森の主の無言のプレッシャーに負けて敗退するおれなのだった。こんな経験は初めてだ。

あきらめて次の店へ。浦和駅前の「ブックオフ」。ところが、これは自分の確認ミスで、すでになくなっていた。こりゃ浦和に来たのは失敗したかなーと、くじけそうになるが、めげずに次の店へ。

「武蔵野書店」。いかにも古本屋な名前。でも、店頭に立ってみると案外モダン。クズ本ハンターにはこれぐらいの感じがちょうどよい。


ここでいきなり、三島由紀夫研究本のいいのを発見。どれぐらいいいかは最後のオチで紹介するから、ちょっと待ってて。

4軒目はゲームとCDとDVDがメインの「ブックサイクル」。


全然期待してなかったけど、著者・開高健、表紙・柳原良平のいいのが200円だったのでゲット。

そして最後は「金木書店」。


じつはこの店は「つくば西武古本市」にも出店してたんだよね。そこでも1冊買ってるんだけど、品揃えがよかったから店舗も見てみたかったんだ。で、ご覧のように“来て正解”っぽい外観。おれの中にある居心地のいい古本屋っていうのは、こんなイメージなのだ。ここでは、店頭の100円均一コーナーで大山倍達本を2冊発見。大山倍達の本はどれも表紙が過剰にカッコよくて素晴らしいんだな。持ってて損はない。

というわけで、今日一日の収穫はこんな感じ。


それぞれの詳しい紹介は多分しないので、タイトルを見て楽しんでださい。

あ、忘れるところだった!

今回のツアー最大の収穫はこれです。

バーン!

間違えた。

この写真じゃないや。

こっちこっち。


『日本改正案 三島由紀夫楯の会/松藤竹二郎編著』(2005年/毎日ワンズ)