白いスーツのナイスガイ

以前、ベトナムから日本へ嫁いできた女性がベトナムと日本の文化の違いに戸惑う様子を書き表した『アオザイ女房/近藤ナウ』という本を紹介したが、実は亭主の近藤紘一さんも、亭主の側からの視点で同様の本を数冊出版している。さすがに本職が新聞記者だっただけあって文章は達者なもので、その代表作『サイゴンから来た妻と娘』は大宅賞を受賞しているうえに、ドラマ化もされている。
で、そのサントラを見つけてしまったんだな。
『美しい昔/カーン・リー』(日本コロムビア LK-126)
渋谷のレコファンでドーナツ盤の棚を掘ってたら出てきた。ジャケにはドラマのスチール写真が使われている。近藤紘一さん役を林隆三がやっていて、顔自体はそれほど似てるとも思えないんだけど、どことなく雰囲気が近いので、ジャケを見た瞬間すぐに「あ、これはアオザイ女房の!」とわかってしまった。
妻と娘役は見たことのない顔だったので調べてみると、それぞれリー・トゥ・クック、グェン・チー・ミーという名前だから、おそらくベトナム人の女優さんなのだろう。しかし、こう言っちゃあなんだが女優さんたちよりも、近藤ナウさんユンさん母娘本人のほうが、ずっと美しく、可愛らしく見える。

▲写真は『アオザイ女房』の口絵より