『岡山・香川 ラーメン見聞録/石原正裕』(2002/吉備人出版)
タイトルどおり、岡山県と香川県の有名ラーメン店を紹介した本。地元のテレビ番組「VOICE21」で放映された「ラーメン特集」がベースになっているらしい。この本の中で紹介されているラーメン屋一軒一軒に濃厚なドラマがあり、そのどれもが魅力的だ。
だが、まあ、おれにはどうでもいいんだな。どの店もおもしろいし、そこで供されるラーメンもおいしそうではあるんだけど、だからといって(おれの住んでる)千葉からはるばる岡山まで食べには行けないもんなあ。なので、悪い意味では全然なくて、手が届かないものに無用な憧れを抱かないための前向きな“どうでもいい”なのだ。
じゃあ、なんでこの本を採り上げたのかというと、それはね、ふふふ、この本自体がとてもいい物体なんだよ。本文中で紹介しているラーメンの写真を、巻頭のカラーグラビアにまとめて掲載してあるんだけど、なんというか、その密度がすごくいいんだな。
まず、1ページ目を開けると、こうだ。
岡山県のおいしそうなラーメンの写真がババババッと載っている。とてもいい。
まだ続くのかな? と、さらにページをめくると、こうだ。
見開きでラーメンの写真がみっちりと。これがまたおれの好きな古き良き正油ラーメンばっかりで、うれしくなってしまう。
こんなもんだろうかと、もう1ページめくってみると、まだ続いている。
ラーメン特集の雑誌なんかを見ても、ふつう、こんなにドンブリを重ねてはレイアウトしないよね。みっちり感の秘密はそこにある。
もういい加減これで終わりだろうと、ページをめくると、今度は香川編だ。
岡山はストレート麺が主流で、香川はちぢれ麺が主流らしいけど、グラビアで見た印象ではそう大差ない。ただただ圧倒的なラーメン曼荼羅を描いている。
で、もう1ページめくってようやく終わる。
ラーメンの本は見つけるとつい買ってしまうおれだけど、ここまで徹底した(グラビアの)本は初めて見た。すごい執念。地方局の底力を見た感じだ。
と、安心するのはまだ早い。カラーグラビアも十分官能的な仕上がりだったけれど、実は表紙カバーがもっとすごいんだな。最初に見せた画像はサイズも小さかったし、帯(別名:腰巻き)で表紙の約三分の一が隠れていたからわかりにくかっただろう。最後にサービスで腰巻きを解いてカバーをおっ広げた状態のものを見せちゃおう。
うりゃっ!
横向きだとものすごく縮小しないと載せきれないので、縦にしてみた。
夜中、腹減ってるときにこの記事見ちゃったひとはお気の毒さま。