A全集も出してあげて!

藤子・F・不二雄大全集 2009年7月、小学館より刊行開始
http://www.shogakukan.co.jp/fzenshu/

というニュースはすでに巷を駆け巡って、素直によろこぶ者、全巻揃えたら総額いくらになるのか不安を隠せない者、本棚の増設計画を立て始める者、『ジャングル黒べえ』は? 「国際オバケ連合」は? と収録作品の心配する者……と、いろいろあるわけだが、なんにせよ、悦ばしいことではある。おれだって藤子アニメを見て育った人間であるからして、欲しいに決まってる。全巻揃えたい。これを機に、娘にも読ませてやりたい。だから買う。
だが金は無い(エッヘン)。
常々、物質そのものよりも収集難易度の“バランス”を重視して、集めてたのしそうなものを日々探しているおれなのだが、そりゃあ物そのものにも興味が持てるもののほうがいいに決まってる。心から欲しいと思えて、なおかつ収集バランスのよさそうなもの。そんなものはなかなか現れないのだが、この『F全集』は久々に「来たな!」と思った。
「いや待て、藤子先生ほどの大メジャー作家の全集で、しかも新刊として書店に並ぶようなもののどこが収集バランスがいいのだ?」と思われるムキも多かろう。
誰が新刊で買うなんて言った。
おれは蒐集原人だぞ。古本で探すに決まってるじゃねーか。だいいち金ないって言ったでしょ。同種のものとしては、『手塚治虫漫画全集』が、平均的市場価格といい、各巻のレアリティといい、全国古本市場への散らばり具合といい、いますごく集めてたのしいバランスだと思うんだよね。あれの刊行が1977年6月から1984年10月まで(第4期は別にして)だったことを思うと、『F全集』収集のスタートもいまから10年後くらいにはじめるのがいいかな、とか思う。
って、その頃もう娘は大学生じゃんか!