古本抱えたおっさんの前にあらわれたのは、安田謙一さんだった。レコードコレクターでこの人の名前を知らなかったらモグリだ……というのは言い過ぎなので親切に教えてあげちゃうけど、安田謙一、通称ヤスケンさんは、ご自身を“ロック漫筆家”と称するライターであり、ラジオDJであり、作詞家なんかもやっちゃう素敵な人だ。でも、おれにとっては有名レコードコレクターというイメージが強いかな。
ピントがボケる音―OUT OF FOCUS,OUT OF SOUND
- 作者: 安田謙一
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本
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ヤスケンさんは、以前ブログにコメントを書いてくれたことがあって、そのときにちょっとやりとりはしてたんだよね。おれ、ヤスケンさんのファンだからびっくりしちゃったよ。で、交流したのはそれっきりで、お互い年は一緒なんだけど、おれは千葉在住、ヤスケンさんは神戸在住なもんだからなかなか会う機会がなかった。そうしたら、ツイッターでおれが古本市に来てるのを知ったので、わざわざ会いに来てくれたというわけ。うれしいなあ。古本発掘しにいったら、おれが発掘されちゃったよ。
見ると、ヤスケンさんだけじゃなくて奥様の安田いれめさんもご一緒だ。じゃあみんなでご飯でも食べましょうということで、地元民おすすめの店に連れて行ってもらった。
これはいったいなんじゃらほい。
ヤスケンさんに導かれてたどり着いたのは、何やら魔窟っぽい建物の中にある長野屋という蕎麦屋さん。ここはカレーそばが名物らしい。関西なのにうどんじゃなくて、そばが名物になってるのがおもしろい。表面に輪を描いてるのはソースのようだ。かなりとろみのある汁がなみなみと継がれている。全然そばが見えない。
濃厚なとろみをかき分け、やっとそばを引っ張りあげた。
ぬおっ! これは旨いっ! カレーの辛みだけじゃなくて、山椒のような香りもちょっとする。見渡すと、店内のお客さんもみんなこれを食べている。場所といい、地味さといい、これは地元民に連れて来られなけりゃ食べられないわー。
- ジャンル:そば
- 住所: 神戸市中央区北長狭通1-32-15 三宮高架下商店街 2F
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- (写真提供:ふぇり◎)
ま、それはともかく、今日は一日付き合ってくださると言うヤスケンさんご夫妻のお言葉に甘えて、このあともおすすめの古本屋めぐりをガイドしてもらうことになったのだった。……(さらにその4に続く)