19 古本ゲリラの可能性とフリースタイルと神戸ツアー

2013年9月マ日

 古本ゲリラは、みんなで古本を売ったり買ったりする行為がしたくて始めたイベントだけど、ぼくは自分でリアルな古本屋を始めて、実店舗まで持ってしまったものだから、もう古本ゲリラをやることはないだろうと思っていた。

 けれど「またやってほしい!」という声はたくさん耳に届くし、古本ゲリラがきっかけで渋谷直角くんの『カフェボサ』のような作品が生まれたりしたことも考えると、今後も続ける意味はあるのだろう。

 ただ、第2回の古本ゲリラは、ラッキーなことに第1回のときの倍以上のスペースを無料で借りられたからあの規模でやれたわけだけど、あれと同等のスペースを無料(もしくは限りなく低価格)で借りるのは常識的には無理。だから、もしも第3回をやるとして、前回と同等かそれ以上の出店者を募るのはできそうにない。

 第1回の会場として使わせてもらったnakanof(ナカノエフ)はJR中野駅からも近いし、オーナーがいろいろと融通を利かせてくれて、とてもいい会場だった。でも、あそこでやるならまた出店者を第1回のときの数(つまり第2回の半分)に減らさないとならない。それはやっぱり寂しいものだ。

 出店者は第1回が24組で、第2回が53組。これで第3回がまた25組くらいに減ったら、お客さんから見てもショボくなった感じがするし、出店者の何人かは「えー、次はおれ出れないのー?」ってなって悲しい思いをするだろう。

 どうせ誰かを減らさなきゃいけないのなら、いっそ全員減らして、古本トリオ(安田、柳下、とみさわ)の3人だけでやってはどうか? それなら出店者のみんなは許してくれるんじゃないか、なんてことも考えた。でも、それだとたぶんお客さんが許してくれない。

 古本ゲリラの会場は、単なる箱モノ施設でいい。ただ、「飲みながら古本が買える」のが古本ゲリラの基本コンセプトなので、冷蔵設備だけは必要。音響とかはあってもなくてもいい。出展者の誰かがノートPCから勝手に音楽をかけたりするだろう。

 そして、ここが大事なところなのだけど、所詮は古本市だから出店者が大きな利益を得ることはまずあり得ない。となれば、出店料は無料か、可能な限り安くしておきたい。そのためにも会場のレンタル料は激安が望ましいわけだ。どこかそんな会場はありませんか?(※いまは募集していません)

 

2013年9月ニ日

 夕方から打ち合わせが入ったため、本日は店の営業を取りやめる。いや、家を早く出て、11時くらいから店を開け、夕方まで営業すればいいだけのことなのだが、そんなことができたら古本屋などやっていない(いま、全国の古本屋さんを敵に回した)。

 仕事は1日ひとつまで。打ち合わせがある日は、仕事はそれだけ。我ながら怠惰だなー。

 

2013年9月タ日

 雑誌『フリースタイル』の執筆陣には友人知人がたくさんいるので、そのうち自分もそこへ加わりたいと思っていた。そうしたら、タイミングよく編集部から声がかかり、執筆陣に混ざてもらうことができた。とてもありがたいことである。

 マニタ書房を始めてから、小さな夢が次々と叶っていて嬉しい。まあ、ぼくにとっていちばんの夢は「古本屋をやりたい」ということだったから、その夢はすでに叶っているわけだ。そんなマニタ書房という場が、いろいろな人との出会いの場にもなっていて、それが連鎖的に小さな夢をも叶えてくれる。本当に店を始めてよかった。

 最近はありがたいことにライターとしての仕事も順調に増えてきて、その分、店を開けられる時間が減っている。かといって、店番のバイトを雇えるほど稼げているわけでもない。実に悩ましいところである。いまいただいている原稿料がすべて倍額になれば、マニタ書房はアルバイトを雇って年中無休の店になることだろう(なんねーよ)。

 

2013年9月シ日

 ライター仲間の安田理央柳下毅一郎と組んでいるユニット「せんべろ」古本トリオで、神戸遠征をすることにした。神戸の古本屋巡りとうまい酒、それだけでも楽しそうなのだが、せっかく神戸まで行くのだから、地元の友人との交流も深めたい。そこで声をかけたのが神戸在住のロック漫筆家の安田謙一氏だ。

 まあ、ぼくらみたいな商売をやっていて古本屋や中古盤屋を嫌いな人間なんていないと思うのだが、安田(謙)さんも例に漏れずそういう店が大好きで、当然のように地元神戸の古品屋にはメチャ詳しい。これはいいナビゲーターになってくれそうだ。

 で、ここはぼくの意地汚いところなんだけれど、どうせこれだけのメンツが集まるのなら、その日の夜に古本トリオ+安田謙一トークショーをやれば、そこそこお客さん入るんじゃね? そうすると往復の交通費は無理でも、宿泊費くらいにはなるんじゃね? と算段した。

 世間的には売れっ子に見えるかもしれない我々だけど、出版不況のこの時代、フリーライターがそう稼げる職業でないのは誰もが知るところ。だから、投資をすると同時になんとかして回収することも考えなければならないのだ。世知辛いねえ!

 てなわけで、当日まわる古書店のルートは安田(理)&柳下さんにお任せして、あとはアドリブ的に安田(謙)さんお勧めの古本屋を回れば良いだろう。ぼくは、トークの会場として元町映画館さんに交渉して時間と場所を確保してもらった。

 ※当日の楽しげな様子は、togetterにまとめてあります。

togetter.com

 

2013年9月ヨ日

 2013年2月ヨ日にカラーブックス『豆盆栽』のことを書いた。ツイッターで見かけた「長年『豆盆栽』を探している人」のために、たまたま見つけたその本をセドリして店頭に出しておいたら、当の本人が来店して買ってくれたという話。

 その後、もっと状態の良い本を見つけたのでふたたびセドリし、今度はそのお客さんのツイッターアカウントがわかるので、交換を呼びかけてみた。

「マニタ書房のとみさわです。以前お買い上げいただいた『豆盆栽』、カバーが反っていてあまり状態がよくありませんでしたよね? 今日、もう少し状態のいいものを手に入れました。もし、以前のやつを持って来てくだされば、無償で交換いたしますよ」

 後日、店に本を持ってきてくださったので、より綺麗なものと交換して差し上げた。古本屋としてはそこまでする必要なんてないのはわかってる。でも、ぼくは古本屋である前に一人の古本マニアだから、機会あればついこういうことをやってしまう。どうりで儲からないわけだが、後悔はしていない。